[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は7日、中国は世界平和を促進するという宣言に基づいて行動し、ロシアのウクライナ侵攻を阻止するための取り組みに加わる必要があると述べた。また、世界は「独裁の弧」によって作り変えられる危険にさらされていると警告した。
ロシアの侵攻がプーチン大統領の計画通りに進んでいないという考えも示し、「(プーチン氏は)違法な戦争をどのように遂行できるかについて過大評価していた」と指摘した。
「中国は長い間、世界の主要国としての役割を担っており、世界の平和と安定に貢献すると主張してきた。ウクライナでの残酷な戦争の終結に中国ほど大きな影響を与える国はないだろう」と述べた。シンクタンクのローウィー研究所で講演後、質問に答えた。
その上で、中国の消極姿勢に失望感を示し、「ロシアの行動を非難する中国政府の声に耳を傾けていたが、そこには冷ややかな沈黙があった」と述べた。
中国の沈黙は、ロシアとの緊密な関係を示しており、これには大きな影響があると指摘。「新しい独裁の弧が、独自のイメージに基づいて本能的に世界秩序を変えようとしている」と述べた。
中国はロシアのウクライナ攻撃を「侵攻」と呼ばず、西側諸国に対しロシアの「正当な安全保障上の懸念」を尊重するよう要請。交渉を通じた危機解決を呼び掛けている。
ロシアは、先月24日に開始したウクライナでの行動を「特別軍事作戦」と表現し、ウクライナを占領する計画はないとしている。
モリソン氏は「重大な国際法違反」だと非難。「脅しと暴力で現状を変えようとする独裁政権の新たな例だ」と指摘した。