[国連 23日 ロイター] - 国連安全保障理事会は23日、ロシアがウクライナに関して独自に作成した人道決議案の採決を行ったが、理事国15カ国中、ロシアと中国のみの賛成にとどまったため否決された。残る13カ国は棄権した。
ロシア提出の決議案はウクライナへの支援や民間人保護の必要性を訴えたが、人道危機におけるロシアの責任には触れていない。
英国のウッドワード国連大使は採決後「ロシアが人道状況に関心があるなら、子どもへの砲撃を停止し、包囲攻撃もやめるはずだ。しかし、そうはなっていない」と強調した。
フランスとメキシコもウクライナの人道状況に関してロシアを非難する決議の安保理採択を目指していたが、ロシアが拒否権を行使すると想定して断念。ウクライナと同国を支持する国々は代わりに、週内に国連総会(193カ国)での決議に持ち込むことを目指している。
一方、南アフリカはロシアに言及しない独自のウクライナ人道決議を提案している。
外交筋によると、ウクライナ主導の決議案は現時点で88カ国が共同提案に名を連ね、南アの決議案は中国を含む約6カ国の共同提案となっている。