[ジュネーブ 29日 ロイター] - 生態系の保全について話し合う生物多様性条約の事務レベル会合が29日、スイスで閉会した。参加国の意見の隔たりが大きく、交渉は難航。6月後半にケニアで再会合を開くことで合意した以外に具体的進展はなかった。会合には164の国・地域から約1000人が参加した。
条約は、2015年に採択された地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定の「生物多様性版」を目指すが、殺虫剤の使用削減や、動植物の生息地の破壊につながるような農業補助金の撤廃など、21の目標の大半についてまだ正式に合意していない。
保全に必要な資金をどう確保するのかという問題も、未解決のままだ。途上国は先進国に30年までに年最大7000億ドルを負担するよう求めている。
一方、会合参加者によると、30年までに世界の陸と海の30%を保全するという案については、意見が集約しつつある。
生態系保全目標は中国・昆明で開く同条約第15回締約国会議(COP15)で採択を目指すが、新型コロナウイルス流行を受けてCOP15はこれまで何度も延期されている。事務局は第3・四半期に開催するとしたが、具体的な日程は明らかにしなかった。