[28日 ロイター] - 人工妊娠中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を米連邦最高裁が覆えしたことを受け、テキサス州で1世紀前に成立した古い中絶禁止法が再び有効になるかどうかが争われた裁判で、州の裁判所は28日、法執行の一時差し止めを命じた。
州内の医療機関で中絶手術が再び可能になったが、同州では妊娠6週目を過ぎた女性の中絶を禁止する州法が昨年9月に発効しており、厳しく制限される状況は変わらない。
共和党が過半数を占める州議会は昨年、連邦最高裁がロー対ウェイド判決を覆せば自動的に中絶をほぼ全面的に禁止するいわゆるトリガー法を成立させており、中絶手術を提供する医療機関が1925年成立の法律はトリガー法によって無効になったと主張し、訴訟を起こしていた。
生殖決定権の擁護団体「生殖権利センター」の弁護士は「テキサスで1時間でも長く中絶が可能になれば勝利だ」と強調した。
パクストン州司法長官はツイッターへの投稿で裁判所の判断は「間違い」だとしてすぐさま上訴すると表明。ロー対ウェイド判決以前の法律は「100%有効で合憲」だとした。
同氏は最高裁の判断後、州のトリガー法はすぐに発効しないと説明していた。専門家によると、発効までには2カ月以上かかる可能性がある。
ただ、パクストン氏は検察当局が25年の法律に基づき中絶手術提供機関を起訴することは可能としていた。