[シドニー 10日 ロイター] - 中国の肖千駐豪大使は10日、中豪関係の改善には一段の措置が必要との認識を示した上で、両国は政治・貿易上の摩擦を解決する段階にはまだ至っていないと主張した。キャンベラで記者団に述べた。
肖氏は、両国首脳の会談は近年行われていないと指摘。「われわれは会談が関係改善につながるとは考えていない。会談を行えば、状況が一段と悪化しかねないと懸念している」と述べた。
中国はオーストラリアにとって最大の貿易相手国で、鉄鉱石の最大の輸出先。
オーストラリアが新型コロナウイルスの起源に関する調査を求めたり、次世代高速通信「5G」から華為技術(ファーウェイ)を締め出したりしたことを受けて、中豪関係は悪化。中国は対抗措置として、石炭や海産物、ワインなどの豪産品に制裁を科している。
肖氏は「具体的な問題をどう解決するかについて話し合う段階ではない」と述べた。
オーストラリアと日本、米国が5日、台湾海峡での中国の軍事演習に懸念を表明する共同声明を発表したことに対して、中国大使館は6日に強く反発。オーストラリアはかねてより、台湾海峡を巡る緊張緩和を呼びかけている。
肖氏は、オーストラリアは台湾問題について慎重な姿勢で臨むべきで、「一つの中国」政策を間違って解釈すべきではないと指摘。「台湾に関して譲歩の余地はない」と断じた。
台湾市民には「再教育」が必要だと述べた駐仏中国大使のコメントについての質問に対し、肖氏は「再教育」という言葉は使わず、台湾の人々は中国本土について違った認識を持っていると指摘。「台湾が統一され、本土に復帰すれば、台湾の人々は中国について正しい理解をするようになるだろう」とした。
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