[ドバイ 28日 ロイター] - イランで髪を隠すスカーフのかぶり方が不適切だとして女性が風紀警察に拘束され、急死したことへの抗議デモが全土80超の都市に広がり、治安当局との衝突が激化していることについて、ライシ大統領は28日、国営テレビのインタビューで「無秩序は容認できない」と語った。
ライシ師は女性の死亡について「この悲劇的な出来事を我々皆が悲しんでいる」とした上で、社会秩序は「政府の超えられない一線だ」と強調。「暴動によって社会の平安を乱すことは容認されない」と述べた。
治安部隊については「彼らは自分たちの命を犠牲にしてこの国を守っている」と擁護。国内外のイラン人の著名人やサッカー選手やアーティストらが抗議デモに賛意を示していることについては、「誰であろうと混乱に参加し、あるいは混乱をたきつける者は責任を取らねばならない」と強調した。
女性は今月13日に死亡。治安部隊が催涙ガスや警棒や実弾などで激しくデモ鎮圧を図り、死者数も膨れ上がる一方で、ソーシャルメディアの動画ではデモ参加者が「独裁者に死を」と叫ぶなど、抗議活動は体制転換の要求に発展している。