[13日 ロイター] - ウクライナ東部ドネツク州では引き続き激しい攻防が繰り広げられている。ロシア、ウクライナは13日、ともに戦況は厳しいとの認識を示す一方で一定の戦果を上げたと主張している。
ドネツクはここ数週間の激しい戦闘で、それぞれがどの地域を押さえているのか、分かりにくくなっている。
ロシアが一方的に併合を宣言した「ドネツク人民共和国」の幹部は13日、一部地域では部隊の前進が困難とした上で、半分以上の地域がロシアの支配下にあると述べた。
ロシアが任命した同地域の当局者デニス・プシリン氏はロシア通信(RIA)に対し「ドネツク人民共和国の領土の50%強が解放された」と述べた。
ロイターはこの報道について真偽を確認できていない。
ウクライナ軍は13日、10地域でロシア軍を撃退したと発表した。
ロシアは徐々に前進していると主張しており、国防省は12日、現地での11日の攻撃でウクライナ兵30人を殺害したと発表した。
だがプシリン氏は、ウクライナが10月に初めにロシアから奪還したと発表した北部リマン周辺の状況は厳しいと指摘。
「状況は依然厳しい。敵は反撃を試みているが、わが部隊は全拠点を保持している」とし「常に前進できるわけでない」とも述べた。
タス通信は13日、別のロシア任命当局者の話として、前線の町マリインカをロシア部隊が包囲し、市街で激しい戦闘を起こっていると伝えた。ウクライナ軍は、ロシア軍の攻撃を撃退したとしている。
英国防省は、ロシアがドネツクの一段と深部への進攻を計画している可能性が高いと述べた。ただ、その能力に疑問を投げかけ「ロシア軍が現在、これらの地域を奪還できる効果的な攻撃部隊を生み出すことができる可能性は極めて低い。ロシア地上軍が今後数カ月以内に作戦上重要な前進をすることはないとみられる」と指摘した。