Steven Grattan
[サンパウロ 23日 ロイター] - 世界の環境関連組織の連盟が23日公表した年次報告書によると、昨年は世界で森林破壊が深刻化し、2021年の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で合意した森林破壊阻止の目標に向けた進展が遅れている。
COP26では世界140カ国余りが、2030年までに森林破壊・荒廃を止め、反転させると宣言した。
しかし今回公表された「森林宣言評価報告書」によると、昨年は世界で約6万6000平方キロメートルの森林が破壊され、破壊は前年比で4%増えた。2030年の目標達成に向けた進展が21%遅れているという。
老樹齢の熱帯雨林は昨年410万ヘクタールが失われ、目標達成に33%の遅れが出ている。
報告書作成に携わった研究者らは記者説明で、森林保護プロジェクトに毎年22億ドルの公的資金が投じられているが、これは必要な投資額に比べて非常に少ないと強調した。
ただ、報告書の筆頭執筆者で環境保護コンサルタント会社クライメット・フォーカスのマネジングパートナーであるフランジスカ・ハウプト氏は、約50カ国は森林破壊阻止の取り組みが順調に進んでおり、ブラジル、インドネシア、マレーシアなどでは破壊が劇的に減ったと指摘。「希望は失われていない」と述べた。
世界の森林破壊の約30%を占めるブラジルは、政権が代わってから森林破壊への取り組みが大きく好転したと、世界自然保護基金(WWF)ブラジルの代表は記者会見で述べた。