Jack Queen Luc Cohen
[ニューヨーク 24日 ロイター] - トランプ前米大統領による不正利得の返還を求めてニューヨーク州のジェームズ司法長官が起こした民事訴訟で、24日にトランプ氏の元顧問弁護士マイケル・コーエン氏が原告側の証人として出廷した。
コーエン氏は、トランプ氏や一族が経営する企業トランプ・オーガニゼーションの所有する資産価値について「トランプ氏の指示通りに」操作したことを明らかにし、同社が資産価値を過大に見せかけて金融機関から有利な条件で融資を受け、不正に利益を得たとするジェームズ氏の主張を裏付けた。
コーエン氏は、会社の資産価値を「恣意的」に決めていたと指摘。トランプ・オーガニゼーションの最高財務責任者(CFO)だったアレン・ワイセルバーグ被告とともに、トランプ氏から評価額が低すぎると言われた資産項目を逐次チェックし、水増しした経緯を語った。
かつてトランプ氏の腹心の1人だったコーエン氏は2018年、選挙資金法違反などで有罪を認めるとともに、トランプ氏批判の姿勢に転じている。
一方被告として出廷したトランプ氏は当初、腕組みをして椅子にもたれかかり、コーエン氏をじっと見つめながら自身の見解を表明した後は、ほとんどの時間を被告席でうずくまり、時折コーエン氏の方に目を向け、弁護士と話して過ごしていた。
さらに法廷を出たところで記者団から発言を求められると「コーエン氏は既に全く信用を失っている」と述べた。