[モスクワ 13日 ロイター] - ロシア外務省のザハロワ報道官は13日、一部の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の「思慮に欠ける行動」によって、ウクライナでの戦争が制御不能になり、地理的に拡大する恐れがあると警告した。
ザハロワ報道官は記者会見で、ウクライナを巡る情勢は危険な状態になりつつあり、リスクは増大していると警告。「欧州連合(EU)、またはNATO加盟国のうち、ほんの1、2カ国でも思慮に欠ける挑発的な行動を起こせば、ウクライナ危機は地理的な国境を越えて完全に異なる規模に拡大し、制御不能な事態に発展する恐れがある」と述べた。
その上で、西側諸国は「奈落の底に落ちる崖っぷち」を歩いているとし、ウクライナを巡る行動で世界をも「崖っぷち」に追いやっていると指摘。「現在、一段のエスカレーションの回避が焦点になっている」とし、西側諸国にロシアを戦略的に打ち負かすという考えを断念し、ウクライナに対する資金と武器の提供を止めるよう呼びかけた。
ロシアのプーチン大統領は15─17日の大統領選を前に国営メディアのインタビューに応じ、ロシアは戦闘態勢にあり核戦争への準備も万端に整っていると述べたほか、米国がウクライナに派兵すれば紛争は大幅にエスカレートすると警告した。