[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米国株式市場は不安定な地合いの中、ダウ工業株30種が上昇した一方、S&P総合500種が下落した。売られていた銀行株が回復した。
米指標10年債利回りが2.73%と3年ぶりの高水準を付けたことを受け、前日に13カ月ぶりの安値を付けていたS&P銀行指数が1.18%高となった。年初来では10.8%安。
銀行大手が軒並み上昇。JPモルガン・チェースが1.8%、バンク・オブ・アメリカが0.7%、シティグループが1.7%、ゴールドマン・サックスが2.3%それぞれ上昇した。
バーンセン・グループの最高投資責任者(CIO)、デイビッド・バーンセン氏は「バリュー株がグロース株をアウトパフォームする非常に長期的かつ重要な期間に突入している。単なるシクリカル(景気循環)な調整ではなく長期的な物語だ」と述べた。
ラッセル1000バリュー・インデックスが0.51%上昇した一方、ラッセル1000グロース・インデックスが1.09%下落した。
UBSバンクのアナリスト、エリカ・ナジャリアン氏は、米連邦準備理事会(FRB)が米経済を「ソフトランディング(軟着陸)」させ、成長が鈍化するもののプラス成長となるなら、銀行株に対する評価は「かなり売られ過ぎ」となるが、急激な景気後退が迫っているのなら、銀行株保有の魅力が薄れ、条件反射的な銀行株売りを招くかもしれないとした。
米銀大手は来週、第1・四半期の決算発表シーズンを迎える。前年同期がトレーディングなどが例外的に好調だったことから大幅な減益が見込まれている。
米取引所の合算出来高は約103億7000万株だった。
週間ではS&Pが1.16%、ダウが0.28%、ナスダック総合が3.86%それぞれ下落した。急速な利上げが景気後退を招くとの見方が広がった。
8日はテスラ、エヌビディア、アルファベットが1.9─4.5%安。米債利回りの上昇が重しとなり、大型株は今週の下げを広げた。
アマゾン・ドット・コムやアップルなどテクノロジー関連の大型株で構成される「NYSE FANG+(ファングプラス)指数」は1.76%安。フィラデルフィア半導体(SOX)指数も2.42%下げた。
個別銘柄では、米オンライン取引プラットフォームのロビンフッド・マーケッツが6.88%安。ゴールドマン・サックスが投資判断を引き下げた。一方、投資判断が引き上げられた米スーパーマーケットチェーン大手のクローガーは2.99%上昇した。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.20対1の比率で上回った。ナスダックでも1.66対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 34721.12 +137.55 +0.40 34569.2 34908. 34470.
4 46 19
前営業日終値 34583.57
ナスダック総合 13711.00 -186.30 -1.34 13830.4 13866. 13693.
7 06 69
前営業日終値 13897.30
S&P総合500種 4488.28 -11.93 -0.27 4494.15 4520.4 4474.6
1 0
前営業日終値 4500.21
ダウ輸送株20種 14470.72 -133.27 -0.91
ダウ公共株15種 1070.84 +3.07 +0.29
フィラデルフィア半導体 3120.16 -77.28 -2.42
VIX指数 21.16 -0.39 -1.81
S&P一般消費財 1417.79 -13.88 -0.97
S&P素材 555.39 +3.06 +0.55
S&P工業 841.81 -5.12 -0.60
S&P主要消費財 823.24 +3.24 +0.40
S&P金融 630.05 +6.27 +1.01
S&P不動産 310.87 +1.03 +0.33
S&Pエネルギー 605.71 +16.25 +2.76
S&Pヘルスケア 1664.58 +9.57 +0.58
S&P通信サービス 230.73 -1.73 -0.74
S&P情報技術 2677.04 -38.96 -1.43
S&P公益事業 390.94 +1.16 +0.30
NYSE出来高 8.88億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 27030 - 10 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 26990 - 50 大阪比