26日の海外外為市場でもドル相場の調整地合いが継続した。昨日発表された米経済指標はまだら模様の内容となり、米金利の反発を促すインパクトはなかった。一方、米国株式市場ではダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が過去最高値を更新。ナスダック総合株価指数も5日続伸し、約14年8カ月ぶりの高値水準で昨日の取引を終えた。米株が堅調さを維持すると同時に主要な欧州株式はほぼ横ばい圏で推移しリスク回避の兆候は見られず、主要な新興国株式市場ではロシアRTSとブラジルボベスパ以外総じて堅調だった。「株式堅調+米金利低下」という「株高オンリー」のリスク選好は外為市場でドル&円売り圧力を強めると同時に、資源国通貨買い圧力を強めた。また、主要な新興国通貨も対ドルで堅調に推移した。
ドルロング調整地合いは継続するも、ドル円は底堅い状況が続いている。直近高値からの23.60%戻し(下図チャート参考)117.47前後がサポートポイントとして意識されているが、短期サポートラインも明日にはこのサポートポイントとクロスする。また、日足の一目/転換線も117.30前後で推移している。昨日のレポートでも指摘したように、株高に加え、多くの投資家がドルロング/円ショートのポジション構築に乗り遅れたことがドル円の底堅さのもうひとつの要因と考えるならば、目先117円ミドル前後での攻防は重要な分岐点となろう。このサポートゾーンを一気に下方ブレイクする展開は、米株をはじめとしたグローバル株式市場で調整圧力が強まっている可能性が高い。株式市場全体が一時的に下値を模索するならば、円相場全体でも一度円高へ振れる展開となろう。
< Today’s Outlook -レンジ相場継続>
米感謝祭で市場参加者が少なくなることから、本日の外為市場はレンジ相場を想定したい。ドル円は上記で指摘したサポートポイント117円ミドル前後の攻防が焦点となるだろうが、米国株式が堅調さを維持していることを考えるならば、117.50前後が下値、オファーが観測されている118.00が上値となるレンジ相場となる可能性が高い。
ユーロドルも1.2500を挟んでの小動きを想定したい。ただ、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁に加え、コンスタンシオ副総裁も国債買い入れについて言及したことから、ユーロドルはややベアトレンドで推移する可能性がある。日本時間20時30分にはドラギECB総裁の講演が予定されている。ユーロ相場を動かす要因として注目したい。
一方、資源国&新興国通貨(対ドル)でもレンジ相場が想定されるが「株高オンリー」のリスク選好の影響から底堅い状況が終始継続する展開を想定している。
< Today’s Chart >
上値ポイント:118.00&118.50レベルが焦点。118.00&118.60レベルにはオファーが観測されている。
下値ポイント:117.50-117.30ゾーンの攻防が焦点。このゾーンにはリトレースメント76.40%、短期サポートライン、日足の一目/転換線が密集している。 尚、117.00にはビッドの観測あり。