目次
●金:米国10年債利回りと逆相関の関係に
●原油:原油と製品間で異なる動きが出現、トレンド転換の予兆か!?
●白金:移動平均までの調整で止まるか確認
●ドル円:レンジ脱出で雲抜けするかに注目。
●トピックス:相場格言
金:米国10年債利回りと逆相関の関係に
先週はFRBメンバーの3月利上げ発言が相次ぎました。
3月利上げ見通しは、2~3週間前は3割程度でしたが、いまは8割方3月の利上げを見込む状況になっています。
貴金属は利上げを織り込むかたちで反落する場面が見られました。
下のチャートは、米国10年債利回りとドル建て金のチャートです。
利回りは先週2.3%から2.5%急伸する場面がありましたが、金は逆に利回り上昇を受けて下落するなど、米国10年債利回りとドル建て金は引き続き逆相関の関係になっています。
週末のイエレンFRB議長の講演でも利上げについて言及がありましたが、大方3月利上げは織り込み済みで、逆に利回りが下がり、金が戻す動きになっています。
原油:原油と製品間で異なる動きが出現、トレンド転換の予兆か!?
東京原油は、レンジの動きで推移してボリンジャーバンドが収束、バンドはせまくなっており、どちらかに放れると大きく動く懸念があるため、警戒が必要です。
一方のドル建ての原油ですが、製品との間で異なる動きが生じてきています。
下のチャートはNY原油17年4月限、NYガソリン17年4月限です。
NY原油は52ドルをキープして横ばい推移になっている一方で、NYガソリンはレンジを下割れしてきています。
東京原油も動く可能性があるため、引き続き注意が必要です。
白金:移動平均までの調整で止まるか確認
先週高値を取りにくると期待していた白金は、東京白金3742円まで高値を示現しましたが、金同様、米国の金利引き上げを織り込むかたちで100円以上下落しました。
ドル建てではこれまでサポートされていた1000ドルを割れるなど、相場環境は悪化しています。
ただし、上昇トレンドは維持しており、下値抵抗となっていた移動平均線まで下げてきました。
相場はここで止まるか確認したいところです。
ドル円:レンジ脱出で雲抜けするかに注目。
トランプ大統領の演説を無難にこなし、レンジ112-115円の動きになっています。
ドル円相場は一目均衡表の雲ギリギリのところで抜けに注目です。
3月利上げは織り込んできており、今週の雇用統計が極端な悪い結果にならない限り3月利上げは既定路線でしょう。
今週は、商品、ドル円ともに方向性の出づらい週になると思われます。
トピックス:相場格言
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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