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トランプ大統領利上げ批判によるドル下落+今週の3つのリスク

発行済 2018-08-22 13:26
更新済 2023-07-09 19:31

米ドル は今週に入ってさらに下落を続けた。

ニューヨーク時間が始まり序盤から買い手がつかず、ドル売りが加速された。これはトランプ大統領がハンプトンで開かれた資金集めパーティーで、利上げについて嘆いていた影響をうけている。トランプ大統領の見識は金融政策に反映さず、FRB(連邦準備制度理事会)の引き締めや政策に対して嘆いたことが伝えられるのは2回目である。FRBは利上げを来月に予定しているが、年内の4回の利上げの遂行は上手くいっていないようだ。一部の市場参加者は、4回の利上げが進まないことについてトランプ大統領から圧力がかかっているのではないかと推測されている。しかし、米国債は下落したことや、米アトランタ連銀のボスティック総裁は年内に3回の利上げの考えを語ったことにより ユーロ, ポンドはショートポジションの解消が進み、月曜日にドルが売られた。

トランプ大統領のコメントへの市場の反応は、投資家に今週何が為替を動かすかを考えさせられる

主要な米国の経済指標がなく、ユーロ圏のPMIや カナダニュージーランドの小売売上高が市場を動かす可能性はあるが、最も大事なのは以下の3つだろうと考えられる。

注目の3つのイベント:

  1. 米中の貿易摩擦に対しての協議 >火曜日と水曜日

  2. EU離脱交渉(ブレクジット)>火曜日と水曜日

  3. ジャクソンホール会議>金曜日

米中間の通商交渉再開とジャクソンホール会議は、主要通貨に影響を与える可能性がある。一方、EU離脱交渉はポンドに対し影響は限定的だ考えられる。

アメリカ合衆国国際担当財務次官のDavid Malpass氏と、中国の商務副大臣であるWang Shouwen氏との会談が予定されている。この会談では重要な取り決めがなされるわけではないが、投資家は彼らがもっと上級レベルによる会談につながるかどうかに注目している。上級レベルによる通商交渉が起これば、貿易摩擦の緊張が緩和され、投資家のリスク選好度(受け入れられるリスクの大きさ)は大きくなるだろう。これは、豪ドルカナダドルユーロの上昇を招く。USD/JPYも恩恵が受けられるだろうが、なぜ通商交渉再開によってハイベータ通貨(ボラティリティーが激しい通貨)に対しドルが上昇せず下落するのかは、ドルが貿易摩擦の上でセーフヘイブン通貨(安全な通貨)として扱われていたからだという理由を知っておくことは大切である。

今週の3つのリスク

水曜のFOMC議事録の公表や、金曜のジャクソンホールでのパウエル議長の講演を控えるが、とりわけ驚くような発表はないと見られている。

議事録は、好調な経済と来月の利上げの詳細が説明されるだろう。また、ジャクソンホール会議では、パウエル議長によって経済成長やインフレを抑えることが上手くいっていることが述べられるとみている。FRBの利上げは来年中旬までピークにならないと見られ、パウエル議長は台本通り、金利は徐々に引き上げる必要があると述べるだけだろう。

EU離脱(ブレクジット)に関しては大きな進展はないと見られているが、10月の期限に合わせて早急なアプローチがとられ、良い進展が少なければ、それはポンドにとって悪い影響をあたえるだろう。

約2年前、欧州委員会のブレクジットのEU側の首席交渉官であるミシェル・バルニエ氏は、イギリスに18か月の交渉期間を与えた。その時、彼は「交渉は2018年10月までに終わらせる必要がある。....これは欧州議会議員選挙の前である」と言った。しかし、すでにその期限まで2ヶ月足らずであり、英メイ首相はEUに対し北アイルランド国境問題をはじめとした主要な問題を妥協させることに苦労している。一方、欧州連合は期限に対し、時がたつにつれて、イギリスが折れることを見込んでいる。期限は11月に延長される可能性だけでなく、協定がまとまらない可能性さえある。これはポンドにとって何も良いことはなく、{{2|GBP/USD}}が控え目な上昇であった理由である。

一方EUR/USDは、昨日1.15で終値を迎えた。EURの上昇は米ドル が売られていることに加え、過去2か月上昇中のイタリア債が急落した懸念が緩和されたことによって引き起こされた。先週のCFTC建玉報告米先物取引委員会(CFTC)のデータによると、投資家のポジションは1年ぶり以上ではじめてユーロに対しショートに偏っているという。これは驚きでもなければ大事でもないかもしれないが、4月からユーロのポジションは20年の内で最大のレベルでネットロング(ショートポジションよりロングポジションが多いこと)であった。私たちは、大きな調整の後で、この回復は押し目買いとしてトレーダー達を引き付けている。もしEUT/USDが200週の移動平均以上になるならば、次に上昇が止まるのは1.1550の水準だろう。

ユーロに比べ、商品通貨の上昇は穏やかだった。(商品通貨=市況商品を産出し、それを主要な輸出品としている国の通貨)オーストラリアは中国と経済的な結びつきが強く、上海市場や人民元の上昇により、豪ドルは上昇に導かれた。オーストラリア準備銀行(RBA)の議事録 は、来週月曜の午後に公表される。ロウ総裁 の豪経済に対し楽観的な見通しや、金利引き上げが予定される中で、議事録は豪ドルの悪材料になるより、好材料になるとみられている。

カナダドルは、 原油価格が上昇や、数日後か数週間後のNAFTA再交渉における進展の可能性を受けて上昇した。 ニュージーランドドルも安値から反転し終日を迎えた。火曜日はニュージーランドドルにとって世界乳製品取引価格指数 2四半期小売売上高 の指標の発表が控えている。乳製品取引価格指数は前回は変わらなかったが、現在まで6取引中5回下落している。もし下落が続くのなら、ニュージーランドドルは上昇に苦しむだろう。しかし、5月ぶりに上昇がみられるのなら、 NZD/USDは1USD=67セントになるだろう。

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