一般的な常識とは反し、金相場は一筋縄にはいかない。
例えば、投資家がリスクオフに回った時やドルが下落した時に、金が上昇するというパターンは必ずしも当てはまらない。
また、リスクオンのセンチメントやドル高になった時、金にとって圧力になるとも限らない。
8月も不況であり、金は5ヶ月連続で下落した。2012年10月から2013年の2月までの過去5年半の中でこのようなことが起こったことがない。金の下落はドル高に起因するが、ドルがほぼ横ばいの中で前回の下落は起こっている。
アナリストは金の実需に注目し、実需は次の相場を予測する信頼できるインジケーターとして使うが、特にアジア圏からの金の物質的な需要があったにも関わらず、金価格は2012年10月から2013年7月までで30%下落した。
ドルの見通し合わせて取引するトレーダーにとっても、金の30%の下落している間の米ドルの上昇はたった4%の上昇過ぎなかった。
なぜ金は1/3近くまで価値を失ってしまったのだろうか?トクビル・ゴールド・ファンドのJohn Hathway会長は、はじめの下落は実物市場の92倍以上あるデリバティブに起因するという。また現在、多くの人は金の魅力を奪ったビットコインを批判している。Hathway氏はビットコインに対し「ばかげている」と語っている。
金はすべてにおいて従来の値動きと反している。ドルは以下のような状況であり、市場はパターンに当てはまらないことが考えられる。
- 現在投資家は、米国株式が最高値を付ける中リスクに対し許容的である。
- 懸念が浮上した時、投資家はリスクオフでドルを求め上昇した。そしてさらに
- 漸進的な利上げは、市場がリスクオンのセンチメントの時でさえ、ドルの上昇を招いた。
トレーダーはトレンドが反転する可能性も視野に入れ今後の展開を考えている。反転はありえるが、トレードは確立をベースとしたものであり常にトレンドと一緒に考えるものだ。
金価格は4月から下落し、これにより下降チャネルラインに突入した。心理的なこのパターンは市場は、金が買われ過ぎと判断され、売り手が低水準で売るだけが下落の理由ではないことがうかがえる。買い手は価格が下落し、安くなってもなかなか手を出せず下落は続いている。
下降チャネルのなかで、さらに2015年12月以来の上昇トレンドラインを下抜けして以降買い支えられず、価格は下降チャネルより下で取引されていた。
最終的に、価格はチャネルより4%下落し、もうすぐ1160ドルまで到達しようとしていた。
火曜日、4.5%の上昇がみられ1215ドル付近まで上昇した。しかし、1220ドルの売り圧力により下落した。
今日の2回目の下落により、金は下降チャネルの上限まで戻ることはないという見通しが強くなった。下降チャネルの下限は、新しい抵抗ラインに変わることを示唆している。
トレード戦略ーショートエントリー用意
慎重なトレーダーは、8月16日につけた1160.56ドルより下まで下落するまで待とう。
一般的トレーダーは、下降チャンネルの下限1180ドルより下に価格が下落するまで待とう。
積極的なトレーダーはいまショートするだろう。1200ドルは心理的にサポートラインになるだろう。
トレード例
- エントリー: $1,199, 心理的な1200ドルより下で終値を迎えた後
- 損切り: $1,201, 心理的な1200ドルの数字より上
- 損切り幅: $2
- 目標価格: $1,185, 8月23~24日のサポートより上
- 利確幅: $14
- リスクリワードレシオ: 1:7