先週金曜日は、株式市場の反発は弱まっていった。世界的な経済成長の懸念が市場への圧力になっている。 原油価格の下落や米中間の貿易戦争の脅威が、テクノロジーから、素材、エネルギーセクターの下落圧力になっていた。この不確実性は、今年の残りの期間での株式市場の見通しを難しくしている。
しかし、「小売業」セクターによって新たな風が吹く可能性がある。
今週の米国小売業の大企業の決算から、消費者支出のトレンドや、ホリデーシーズンの見通しを得ることになるだろう。
以下が、今週に決算を控え投資家が注目する3株だ。
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メイシーズ(Macy’s)
メイシーズ(Macy’s)(NYSE:M)の2018年第3四半期決算の発表は、11月14日(水)の市場前に予定されている。予想売上高は54億4000万ドルで、EPSは0.13ドルだ。
メイシーズ株の金曜日の終値は37.78ドルだった。通年を通して30%の上昇である。メイシーズは過去3四半期を通して拡大し続けており、それによる投資家の良い見通しはすでに株価に反映されていると考えられる。
投資家は、支出管理、オンラインの売上高、同一店舗売上高の成長に注目している。メイシーズは決算で安定した成長をみせることができれば、メイシーズ株は大幅な上昇が考えられる。
第3四半期の決算は、メイシーズの再建に向けた経営戦略が上手くいっているかを立証するものになるだろう。その経営戦略の中には、コンセプトストアの「Story」、最新ハードウェア体験ショップ「B8ta」、ディスカウントショップの「Backstage outlet」などである。投資家は、これらのメイシーズの企業再建をかけた戦略が上手く言っているかどうかを決算の発表を楽しみにしているだろう。
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ウォルマート(Walmart)
米国消費者信頼感指数は過去最高水準であり、11月15日(木)市場前に予定されている米国で最も大きい小売業のウォルマート(NYSE:WMT)の第3四半期決算の躍進が期待されている。予想売上高は1248億、EPSは1.02ドルである。
決算では実店舗やオンラインでの売上の好調が見込まれ、ウォルマート株は今年の安値である82ドル以下から約20%上昇し、先週金曜日の時点で98.59ドルとなっている。
第2四半期では、ウォルマートは10年以上ぶりでもっとも高い売上高だった。これは、食品雑貨販売業の好調によるものである。第2四半期の同一店舗売上高は4.5%上昇し、これはアナリストの予想の倍以上であった。第3四半期では、ウォルマートは、通期の同一店舗売上高と修正後純利益においてさらなる成長が見込まれる。
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エヌビディア(Nvidia)
現在は、半導体メーカーにとってもっとも景気が悪い時期だろう。半導体セクターは、需要の下落や米中間の通商問題による成長見通し悪化によって、景気後退期である。
エヌビディアは11月15日(木)の市場終了後に第3四半期決算を発表する。投資家は、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)の売上高や、ゲームやデーターセンターの業績に注目している。予想売上高は32億4000万ドル、EPSは1.73ドルである。
エヌビディア株は、この半導体セクターの不景気の中でもっとも打撃をうけた企業の一つである。今年の293ドルの最高値から30%下落した。先週金曜日の終値は205.67ドルある。投資家向けに向けた報告書によると、 JPモルガンはエヌビディア株に対して格上げを行った。これは、エヌビディアのクラウドデータセンター、自動運転などの分野によって長期的な成長が見込まれているためだ。もし、エヌビディアが好決算であり、業績見通しが良かった場合、長期投資家にとって魅力的な株になるだろう。