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2018年第3四半期決算予定日:11月14日 水曜日
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コンセンサスEPS: 0.13ドル
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予想売上高: 54.4億ドル
メイシーズ(Macy’s) (NYSE:M)の株価は8月以降乱高下している。3四半期連続で決算予想を上回ったにも関わらず、メイシーズの企業再編に対する懸念が株価のアップサイドの足かせとなっている。
おそらく、過去1年間の驚異的な株価上昇を一瞬にして反落させた最大の懸念点として、コストの上昇が挙げられるだろう。メイシーズは8月の第2四半期決算発表において、新しい顧客還元サービスによるコスト上昇を受け、上期に比べて下期の売上総利益率が減少するとの見通しを投資家に伝えた。
それでも、メイシーズは業績改善に向けた企業努力によって再集客に繋がり始めている。
同社はより多くの製品ラインナップの充実やオンラインストアのリデザインを行うことで、Eコマース市場でのプレゼンス向上に努めている。これらの改善によって、オンラインストアのトラフィック増加に繋げた。
第2四半期におけるオンライン売上は9年連続となる10%の増加となった。今期のオンライン売上高は10億ドルを超えるとみられる。現在は半分の店舗での実施ではあるものの、顧客がモバイルアプリを使った商品や価格の検索、注文履歴の閲覧、カスタマーサービスとしてのチャットといった試みが行われている。
メイシーズ Eコマースの強み
アマゾン(Amazon) (NASDAQ:NASDAQ:AMZN)、ウォルマート(Walmart) (NYSE:NYSE:WMT)、ターゲット(Target) (NYSE:NYSE:TGT)といったメイシーズよりも大きい競合企業に対しても、メイシーズはEコマースにおいて強みを出せていると言えるだろう。
従来のデパートメントストアをより魅力的にすべく、メイシーズはオフプライス店である「Backstage」を推し出している。値下がり商品を狙った顧客に対して、多くのディスカウント商品を提供できるようにするためである。上期において約65店舗にて実施し、12月にはあらたに55店舗にて実施する計画である。同社が買収を行った、スパトリートメントなども扱う化粧品チェーンストア、「Bluemercury」においても拡大を計画している。
メイシーズのジェフリー・ジェネットCEOによる企業戦略は、従来の実店舗型ビジネスを再編させるとともに、Eコマースとモバイルサービスをより強固なものにする。そして店舗とオンラインの組み合わせによって、力強い企業へと生まれ変わると考えている。急速に変化する小売業界においてメイシーズは現在、より強固なビジネスへの転換期を迎えている。
これらのメーシーズの良い見通しが株価に反映され、月曜日の株価は過去1年間の最安値19.09ドルから90%上昇の37.05ドルとなった。
サマリー
第3四半期の決算発表を前にしてメイシーズ株は勢いを増しているが、過去一年の傾向として大幅な上昇の後、利確確定による下げの影響を受けやすい。私たちの見解としては、決算によって株価が下落したのなら長期保有投資家にとっては良い買い機会だと考えている。
株価が上昇トレンドであることや素晴らしい企業戦略以外にも、同社株の配当利回りは4.2%と小売業界で最も高い利回りとなっており、仮に株価が下落することとなっても上手くヘッジできメイシーズは魅力的な株になっている。