現在の決算発表シーズンが終わるにつれ米国経済にとって重要なセクターが、明らかに失速しつつある。顕著なのは、グラフィックカードの半導体メーカーの最大手であるエヌビディア(NASDAQ:NVDA)は四半期決算では予想を下回る売上高だったことだ。また、彼らの決算報告によると、在庫は増加している。
半導体関連の悪いニュースは、アップル(NASDAQ:AAPL)、アマゾン (NASDAQ:AMZN)、アルファベット(NASDAQ:GOOGL)などの米国大手ハイテク企業の業績不振に起因している。これらの企業の低迷により、投資家たちは投資先をテクノロジー株から生活必需品、ヘルスケア、公共事業などのより安全な株式にシフトしている。
来週の米国小売業者の第3四半期決算報告において、米国小売業者の状態がより一層分かるだろう。フェイスブックは、同社に関する悪いニュースが株価を圧迫し続け、先行きの厳しい1週間に直面する可能性が高い。以下の3つの株式が、来週の相場で注目すべき株式である。
1. ターゲット
大規模小売店のターゲット(NYSE:TGT)は、11月20日火曜日の市場が開く前に第3四半期決算を発表する予定である。ウォルマート (NYSE:WMT)などの競合他社による好業績に続き、アナリストらは好調な 四半期決算になることを予想している。
これまでのところ同社は収益と利益の両方が上半期の市場予想を上回り、業績は堅調に推移してきた。第2四半期には、同社は既存店売上高が6.5%増加したことを報告した。これは、13年間で最大の伸び幅であった。オンライン売上高は前年同期比41%増加した。
堅調な業績と消費支出の好調を受け、同社は調整後利益の通年見通しを引き上げた。アナリストらは、第3四半期では一株当たり純利益が去年の0.91ドルから1.12ドルへ増加し、売上高が177.7億ドルを記録すると予想している。
現在までの小売業者の好調な業績にも関わらず、マクロ環境が悪化し、投資家達は景気減退に身構えているため、ターゲット株の上昇は限られたものである。金曜日、ターゲット株は1.34%下落し、79.68ドルで取引を終えた。
2. ロウズ
米国住宅リフォーム大手ロウズ (NYSE:LOW)は、11月20日火曜日の市場が開く前に第3四半期決算を報告する予定である。ロウズの決算によって、投資家達は縮小を続ける米国 住宅市場が住宅リフォーム業者に影響を及ぼしえるのかどうかを見極められるだろう。アナリストらは、ロウズがEPS(一株当たり純利益)を0.98ドル、売上高を173.6億ドルと報告すると予想している。
同社の株式は、金曜日に0.46ドル下落し93.25ドルで取引を終えた。9月に最高値である117.70ドルを記録して以降、株式の価値を20%以上失っていることになる。投資家達は米国住宅市場が冷え込み、金利見通しが悪化した時点で、住宅関連株への投資を避けている。この傾向は、同社が堅調な四半期決算を報告したとしても、持続する可能性が高い。
しかし新しいCEOであるMarvin Ellison氏の指揮のもと同社の業績が堅調に回復していることから、ロウズ株は長期投資に適していると言える。彼はホームデポ(NYSE:HD)との競争下でネットワークの強化を計画しており、サプライチェーンとロウズの在庫をより効率よく管理することでさらなるマーケットシェアを獲得することを目論んでいる。
3. フェイスブック
フェイスブック (NASDAQ:FB)は、ロシア政府による選挙妨害への対応に関する多くの批判的なニュースにより、新たな売り圧力を受ける可能性が高い。
金曜日に139.53ドルで取引を終えたフェイスブック株は引き続き下落している。7月25日に217.50ドルを記録して以来、36%下落しており、同期間にS&P 500は4.0%下落した。金曜日、業者を雇い同社のプライバシー保護を批判する者に報復したことや、ロシア政府のプロバガンダを防止したことの影響により、フェイスブック株は3%下落した。
この絶え間ない負のサイクルは最高経営責任者マークザッカーバーグに圧力をかけ、一部のアナリストらは経営陣の一新を予想している。スティフェル・ニコラウス社のアナリスト、スコット・デビット氏は、「我々の見解では、フェイスブックの取締役会と経営陣は、組織のトップの変更を検討することで、より早く信頼性を再構築することができる」と述べた。