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バークシャーの第4四半期決算:銀行株とテック株の動向、買い増ししたGM株

発行済 2019-02-27 18:40
更新済 2020-09-02 15:05

先週、ウォーレン・バフェット氏がCEOを務める多国籍コングロマリット持株会社であるバークシャー・ハサウェイ (NYSE:BRKa)の第4四半期決算報告に注目が集まった。

敬愛の念を込めて「オハマの賢人」と呼ばれるバフェット氏は、企業の価値を見抜き、優れたポートフォリオを通して富を築いてきたバリュー投資家だ。

BRKa vs SPX 1980-2019

彼の才気あふれる輝かしい功績は、上のチャートを見ても明らかだろう。40年間の中で、S&P 500は2638%成長であるのに対して、バークシャーのリターンは116,553%に昇る。

しかし、バークシャーの2018年の第4四半期は良いとは言えない結果になった。同社は、昨年の株安に見舞われた影響から前年同期比でマイナス380億ドル(-17%)となった。現在のポートフォリオには48銘柄が組み込まれており、中でも大きく占めているのは、アップル(NASDAQ:AAPL)、バンク・オブ・アメリカ (NYSE:BAC)、ウェルズ・ファーゴ (NYSE:WFC)である。

昨年末の株安の影響で、過去12ヶ月のS&P 500の上昇率はたった1.89%となり、一方、バークシャーはマイナス3.51%という大きな損失を被った。

しかし、四半期ごとの業績はバフェットを動揺させるものではない。彼が度々言うように、彼は長期投資家であることを忘れてはならない。

以下に、決算報告で明らかになったバークシャーにおける3つの興味深い動向をあげる。

1. 銀行株

バフェット氏の株主に向けた年次レターでは、強く米国経済に希望を抱いていることが分かる。これにおいては彼の最近の銀行株の動向を見ても窺える。

バークシャーのポートフォリオでは、米国の金融セクターが45%を占めている。第4四半期ではパウエルFRB議長がハト派に転じ、銀行株のプラス材料が薄れている(利上げは米国銀行株式にとって好材料)。しかし、バフェット氏は銀行株を買っているのだ。バークシャーは、バンク・オブ・アメリカ、USバンコープ(NYSE:USB)、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)、PFCフィナンシャル (NYSE:PNC)、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(NYSE:BK)などの株を買い増ししている。

特に注目すべきなのは、JPモルガン・チェース株である。第3四半期から買い増しを始め、平均価格106ドル(昨日の終値では106.10ドル)で1440万株(15億2000万ドル分)をポートフォリオに追加している。また、バンク・オブ・アメリカ株においては平均価格27ドル(昨日の終値は29.27ドル)で1890万株追加しており、同株の10%近くを占める大株主である。もし、保有割合が10%を上回ると、米国証券法によってバークシャーは煩雑な手続きを取る必要があり、同社は避けたいと考えているだろう。同様の理由によって、ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)株を約3%減らしている。

金利は金融セクターの収益性に大きな影響を与えるため、低金利が続くことは短期的には好ましくない。しかし、バフェットが銀行株を買う理由には、長期的な米国経済の成長によるリターンにかけていることが挙げられる。

個別銘柄を見ると、JPモルガンは米銀行を率いる存在であり、現在のPERは11倍と割安な水準である。また、同社株の配当利回りは3%と高水準である。高利回りであることから、FRBが利上げに踏み切るまで効率良くリターンをあげられるのだ。

2. テクノロジー株

バフェット氏のテクノロジー企業に対する投資成績には疑問が湧く者もいるだろう。今年89歳のバフェットは、今までテクノロジー株を避けていたことで知られていた。だが、近年ではテック企業の株がポートフォリオに組み込まれるようになってきた。

例えば3年前、バークシャーは400億ドル分のアップル株の保有し、ポートフォリオの中で最大となっていた。しかし、前四半期にかけて、アップル株を平均192ドルで290万株を売り抜けた。

昨年10月にIBMに買収されたオープンソースクラウド企業のレッドハット(NYSE: RHT)もポートフォリオに組み込まれた。バークシャーはレッドハット株を平均160ドル(現在価格182.40ドル)で410万株購入している。大量保有報告書によると、バークシャーは、IBMによる買収より前にレッドハット株を買い始めていた。

しかし、もっとも大きなニュースは、バークシャーがオラクル株(NYSE:ORCL) をすべて売却したことだろう。第3四半期では21億ドル分のオラクル株を保有していたが、数ヶ月間ですべて売り払った。このような数ヶ月での売買は、バフェット氏の動向において前代未聞である。

オラクル株を巡っては、バフェット氏はIBMで躓いた過去から、オラクルが自身に適した投資でないという心変わりを示し、比較的短期間でオラクル株を売却した。

アップル株の売却についてはさほど重要ではない。バークシャーは未だに400億ドル相当のアップル株を保有している。第4四半期のアップルは苦戦を強いられたが、同社のPERは14倍であり2450億ドルの現金保有を誇るため、アップル投資家は安心して眠れることだろう。

IBM買収されたレッドハットは問題である。IBMは63%の買収プレミアムを支払うことで買収に合意し、株価の上昇を呼んだ。さらに、現在IBM傘下であることは、長期的に良い結果になるとは考えづらい。

3. GM株の買い入れ

バークシャーの67%を占める銀行株やテック株で大きな動きを見せているが、一方で、ゼネラルモーター(NYSE:GM)を200万株(37%増)の追加購入をしていたことには驚いた。バークシャーは、平均34ドルで、合計6億8000万ドル相当のGM株を追加購入し、現在の保有総額は24億ドルとなっている。

この予想外のバフェット氏の判断は良いものだろうか?彼の戦略を評価するのは難しい。GM株のPERは6倍と割安であり、配当利回りは3.8%である。バフェット氏は「バイ・アメリカン」と米国株を推薦することで知られ、最新の年次レターでも様々なビジネスにおいて素晴らしい功績を残してきた米国を「並外れて素晴らしい(extraordinary:バフェットが多用する言葉)」と評し、今後の米国経済に期待している。

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