豪州準備銀行(RBA)の金融政策発表を前にして、豪ドルは4か月ぶりの安値を付けた。
トランプ米大統領が中国への追加関税を表明し、6日は下げ相場となった。一方で、ECBは今月利下げを行うと見られていた。このハト派的な動きに驚きが広がっている。
投資家らは金融緩和が必要だと思いつつ、それは8月以降のことになるだろうと予想していた。
RBAが利上げしないことを示唆した前回の金融政策発表 により、利下げ予想がにわかに浮上した。
4月には、RBAは「我々は経済の持続可能な成長を支えるため、経済の動向を監視し、金融政策を設定し続ける。加えて、インフレ目標を達成する」と述べ、よりハト派姿勢を強める動きを示した。これを受け、豪ドルは小幅安となった。
一方で、我々はRBAが利下げを実行するのは時期尚早だと考えている。
前回の金融政策会合以来、オーストラリアの経済は広く回復してきた。
小売売上高、製造業、サービス業や建設セクター、加えて雇用統計は大きく改善している。
直近の貿易収支と小売売上高ももうすぐ明らかになる。一方で、製造業購買担当者指数(PMI)やPSIにおいて売上が占める割合などを考慮すると、上振れするかもしれない。
オーストラリアのインフレ圧力は弱いものの、一時的なものであろう。直近の経済報告を考慮しても、RBAがハト派に傾く理由は見当たらない。
RBAは米中貿易協議の雲行きが怪しくなっていることを懸念している。
過去のトランプ大統領の行動を考慮すると、利下げに頼る前に制裁関税が公式に発表されるのを待つのが賢明かもしれない。
同大統領の脅しが貿易協議を進展させるのであれば、利下げはもはや必要なくなるだろう。
よって、RBAが金利を据え置きした場合は、ショートカバーにより短期間で豪ドル/米ドルが高値を付けることが予想される。
今年中の金利引き下げが示唆される場合は、同ペアは引き続き安値を付けるだろう。
一方で金利が据え置きされ、金融政策発表についても不変であれば、下げ相場が加速するだろう。