メイシーズ2-4月期決算
- 決算報告日:15日寄付き前
- 予想EPS:0.33ドル
- 予想売上高:55億2000万ドル
メイシーズ(NYSE:M)は売上減少を受け株価が低迷しており、明確な経営戦略の見通しを提示する必要があるだろう。
15日寄付き前に発表される2-4月期決算(第1四半期決算)において回復は見られないと考えられる。
同社は1月に女性スポーツウェア、服飾品やコスメ等のカテゴリの売上減少を受け、2019年通期売上高を下方修正していた。
一方、今期の米国経済復調と消費者支出拡大により小売競合他社は収益を大きく伸ばしている。
このような環境下にありながら収益を伸ばせないのであれば、経済が後退する際にはメイシーズの改善は見込めないだろう。
また、加熱する米中貿易戦争による値上げの影響が高まり、消費者心理が損なわれると考えられる。
これらの懸念により同社株価は今年大きく値下がりしてきた。13日終値は3.9%安の21.58ドルで、過去12日間で10ドルの下落となった。
同社株は今年28%下落し、昨年夏の最高値から株価は約半減している。
2-4月期の予想EPSは前年同時期の0.48ドルから0.33ドルに低下している。
予想売上高は55億2000万ドルでほぼ横ばい。
来客者数と売上成長がメイシーズ回復の鍵
メイシーズCEOのJeffrey Gennette氏は、伝統的な実地店舗小売モデルを脅かすEコマースの台頭に立ち向かい顧客を取り戻すべく多様な新規戦略を取ってきた。
同社はデジタル市場での存在感を高めるために商品ラインナップの充実や、外観を一新するなど多額の投資を行っている。
この戦略はオンライン売上を増加させてきた。今年のオンライン売上は10億円を超える見通しだ。
アプリでの価格や注文履歴の閲覧、ビジュアルサーチ、さらには顧客担当代表者とチャットサービスなどが可能な同社のオンラインプラットフォームは顧客満足度を高めている。
コスト削減もオンライン市場での成功の一因だ。また今年、3-5年後に向けた削減目標が発表される見通しだ。
「来客者数」と「売上成長」が重要な指標となる。決算報告ではこれらの数字に注目が集まるだろう。
総括
過去6か月間急落を経験したメイシーズだが、今年中に立ち直ることは難しいだろう。
回復への目途が立っておらず、買い銘柄とは言い難い。
我々としては、まずは一歩引いて現行の努力がどう報われるか見えてくるまで待つことを勧めたい。