4-6月期の中国GDP(国内総生産)成長率は6.2%となり、1992年ぶりに低調な結果となった。このことは、世界経済や今週の原油価格へ影響を与えることが予想される。また、米メキシコ湾で発生した熱帯暴風雨「バリー」の脅威は急激に減少し、原油価格にとって悪材料となる可能性が高い。
一方、FRBによる利下げ観測が高まっていることを受けて、金は1400ドルを上回った。
中国は15日、4-6月期におけるGDP成長率が前年比6.2%となり、27年ぶりの低い伸びとなった。
アナリストによると、中国は景気刺激策を実行する可能性があるが、債務リスクや構造的問題を考慮すると、その余地は限定的であるとのこと。
先週、熱帯暴風雨の「バリー」に備えてメキシコ湾一帯の原油生産は半分以下まで減少した。
しかし、その後のバリーは勢力を弱めて熱帯低気圧に変わっており、原油精製所への影響は軽微であると考えられている。
バリーへの脅威の弱まりを受け、原油価格はまちまちとなる可能性がある
バリーが原油市場へ与える影響は定かではない。12日、バリーに備えて日量140万バレルの原油生産が中断された。また、精製所も活動を休止していた。
原油精製の中断を受け、短期的には米湾岸地域における原油在庫量は増加することが予想される。
この場合、原油価格は下落、もしくは横ばいとなる一方で、ガソリンなどの石油製品は上昇することが予想される。
先週の原油市場にはいくつかの好材料があった。熱帯暴風雨のバリーやイランによる英タンカー拿捕未遂、米原油在庫量減少、OPECによる協調減産などである。
一方、国際エネルギー機関(EIA)は、2019年上半期はOPEC協調減産にも関わらず、日量100万バレルの過剰供給であったことを指摘した。また、下半期においても米原油生産は拡大し、過剰供給となることを述べた。
金は強気相場
金は今週も強気相場となる可能性が高い。
FRBによる利下げ観測を受けて、金価格は上昇している。7月30、31日に行われるFOMCに向けて、金価格は更に上昇していくことが予想される。
パウエルFRB議長の議会証言を受けて、10日の金価格は再び1400ドル台を突破した。
その後の金価格は、乱高下を繰り返している。
パウエル議長はインフレ率の弱まりが当初の予想よりも長引いていることを懸念していたが、インフレ率は予想を上回る上昇を見せている。
ドナルド・トランプ米大統領はパウエル議長に対して、利下げするように圧力を掛けている。一方、パウエル議長は自身が正しいと考えることを実行すると主張している。