2019年の株式市場は、予想に反する値動きを多々見せてきた。今夏には、景気後退を示す逆イールドが発生したものの、経済は依然として堅調であり、株式市場は大きく値を上げた。
以下は、2019年に様々な困難に直面したにも関わらず、株価が堅調な3銘柄である。
1.テスラ
テスラ (NASDAQ:TSLA)は10月、イーロン・マスクCEOによる多くの失敗を乗り越えて、弱気相場を打ち破った。20日の同株は、史上最高値となる405.59ドルで終値を迎えた。10月23日に堅調な7-9月期決算を報告して以降、約55%高となっている。
マスク氏による非上場化のツイートや規制当局との紛糾、約束の反故など、様々な暴挙にも関わらず、7-9月期決算は市場から好感された。マスク氏はテスラにとってお荷物なのかもしれない。
7-9月期決算では、EPSが1.86ドルとなり、最も楽観的な予想であるマイナス0.24ドルを大きく上回った。
また、クロスオーバータイプのEVである「モデルY」が当初の生産計画よりも前倒しとなることが発表された。テスラは目標株価である293ドルを大きく上回っている。
2.ゼネラル・エレクトリック
ゼネラル・エレクトリック (NYSE:GE)は転換戦略を打ち出しており、アナリストの評価はまちまちとなっている。2018年は、同社製品の売上が落ち込み、軟調な株価となった。
同株はこれまで10ドルを下回って取引されていたものの、10月上旬に急伸した。年初来で同株は約50%高となり、経営陣の再編が功を奏していることが窺える。
11月発表の7-9月期決算では、キャッシュフローは改善し、産業部門が好転していることが明らかとなった。
2018年に同社CEOに就任したH・ローレンス・カルプ・ジュニア氏は、優れた経営手腕を見せつけている。堅調な産業部門を背景に上方修正された、2019年のキャッシュフロー見通しは投資家に好感された。
しかしながら、アナリストのGEに対する評価は大きく分かれている。JPモルガンは同社の目標株価を5ドルとしている。JPモルガンのアナリストはレポートの中で、同社の業績が底を打っていないとの考えを記し、3月に設定されたコア事業の目標EBITが未達であることを指摘した。
3.アップル
2019年はアップル (NASDAQ:AAPL)にとって最高の1年となった。フェイスブック (NASDAQ:FB)やアマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)、ネットフリックス (NASDAQ:NFLX)などのハイテク銘柄の中で、アップルは年初来で約80%高となり、最も値を上げた。20日の終値は279.44ドルとなった。
同社製品への需要減を受け、2019年は同社とって不安定な年になると考えられていた。また、米中貿易摩擦など、マクロ的要因も悪材料であった。
同社売上の約20%が中国市場によるものであり、主要なサプライヤーを中国に集中させていたため、米中貿易戦争は同社にとって最大の懸念材料である。
同社は2018年8月の史上最高値から、約30%値を下げて2019年のスタートを切った。しかしながら、同社には困難な状況を打開できる能力があることが明らかとなった。
アイフォン11は好評を博しており、アップルミュージック、アップルTV+、App Storeなどは拡大を続けている。2019年下半期には、5G対応アイフォンの発売を見越して、アナリストから高い評価を得た。
総括
テスラ、GE、アップルは、2019年に予期せぬ値上がりを見せた3銘柄である。これらは、2019年初頭には不可能と思われた価格で年越しを迎えようとしている。また、2020年も値を上げることが予想される。