CEOが自社の株価を割高であると考えてている場合、企業が市場の期待を満たせていないことを意味する。テスラ (NASDAQ:TSLA)のCEOであるイーロン・マスク氏は1日、以下のようにツイッターで述べた。
「私の見解では、テスラの株価はあまりに高すぎる」
これを受け、同株は10%以上下落した。
しかし、その後の同株は値を上げ、マスク氏のツイッターでの発言前の水準まで反発した。同株は年初来で86%高となっている。
同株はテクノロジーセクターでアウトパフォームしており、上昇トレンドに乗っている。しかし、マスク氏のツイートは、長期的には投資家に強い売りシグナルとなるだろう。
証券会社のベアードは、マスク氏が同株に対して否定的な発言をした過去4回の出来事を全て検証した。直近3回では、株価は発言後の1年間でマイナスとなった。2013年には、発言の翌月に30%安となった。
弱気な見解
しかし、テスラは2019年に数々の失態を犯した後、力強く反発してきた。同社は新型コロナウイルスの流行をよそに、予想を上回る納車実績を上げ、好調な四半期決算を報告している。これを受け、多くのアナリストは同株に対して強気な見通しを示している。
ゴールドマン・サックスは先月、同社の目標株価を1株864ドルに設定した。ゴールドマンのアナリストであるMark Delaney氏は、テスラは電気自動車の生産において他社を大きくリードしており、市場での強い地位を維持できると述べた。
しかし、新型ウイルスの流行を受け、自動車生産は中止しており、販売数は低迷している。
これこそが、テスラが通年の納車見通しを示さなかった理由である。新型ウイルス流行前、納車台数の36%増を目標としていた。自動車販売台数の減速とキャッシュバーンの悪化を受け、割高な同株を正当化することが難しくなるだろう。
しかし、投資家は足元の業績に注目していない。新型ウイルス終息後、低金利を追い風に消費が加速し、その恩恵をテスラが受けると見られている。
総括
マスク氏のツイートは、不況下においてテスラが納車目標を達成することが困難であることを示唆している。短期的な投資家は、すぐに同株を売却するべきである。また、同社へ興味がある投資家は、より良いエントリーポイントを待つべきである。