11月下旬にバイデン大統領はパウエル現FRB総裁を再任した。これによってパウエル総裁の任期はもう4年延長されることになった。
オミクロン株による先行き不透明感を受けて、パウエル総裁が緩和的な金融政策を引き締め、利上げを行うのかにアナリストの関心は集中している、
このような中、パウエル総裁は上院銀行住宅都市委員会の開始前に、「直近コロナウイルスの感染者数が増えており、オミクロン株も出現したことで雇用や経済活動、インフレなどに対する不透明感がダウンサイド・リスクとして意識されている」との声明を発表した。
今週後半には11月の消費者物価指数が発表される。インフレ率の高止まりが意識された場合には、FRBは金融政策の転換を迫られると予想する。足元インフレ率の上昇ペースはFRBが目標としている2%よりも3倍の速さとなっている。
銀行などの金融株は一般的に金利上昇局面で堅調に推移する。貸出金利が上がれば、その分銀行の収益性は改善するからだ。
セントルイス連銀のスポークスマンは、「銀行は高金利を望んでおり、貸出金利やその他の投資においても金利の上昇は収益の向上につながる」と話した。
米国商務省国際貿易局(ITA)が発表したレポートでは、「米国の金融市場は最も市場規模が大きく流動性が高い」としている。
2020年時点で米国の金融市場の市場規模は約4.8兆ドルとされている。
金利先高感が強い中、米国の金融株を中心に構成された下記2つのETFには注目が集まるかもしれない。
1. Vanguard Financials Index Fund ETF Shares
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現在の価格:97.45ドル
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52週間のレンジ:69.86ドル~101.26ドル
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配当利回り:1.85%
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運用報酬:年率0.10%
The Vanguard Financials Index Fund ETF Shares (NYSE:VFH)は広範な米国の金融株に投資をしている。当ETFは2004年1月に設定されたが、現在の運用資産残高は128億ドルに上る。
当ETFは394銘柄を保有し、Vanguard US IMI (LON:IMI) Financials 25/50 Benchmarkに連動した値動きをするように設計されている。構成されている主な5セクターは複合銀行(24.10%)、地方銀行(14.50%)、資産運用会社およびカストディ銀行(10.30%)、金融取引および情報ベンダー(8.90%)、投資銀行およびブローカー(8.90%)となっている。
主な投資先としてはJP Morgan Chase (NYSE:JPM)、Berkshire Hathaway (NYSE:BRKa) (NYSE:BRKb)、Bank of America (NYSE:BAC)、Wells Fargo (NYSE:WFC)、BlackRock (NYSE:BLK)などが挙げられる。全体の40%が米国の大手金融機関によって構成されている。
当ETFの年初来のリターンは31.5%であり、11月には上場来高値を記録した。それ以降は5%反落している。株価収益率および株価純資産倍率はそれぞれ11.5倍と1.7倍だ。
前年も大きな上昇がみられたものの、引き続き当ETFの上昇余地は大きいかもしれない。オミクロン株による脅威やFRBの政策動向によっては、短期的にはもちろん変動性が高い局面も想定される。しかし、長期目線の投資家にとっては魅力的な投資対象となるかもしれない。
2. iShares US Regional Banks ETF
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現在の価格:63.13ドル
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52週間のレンジ:43.19ドル~66.56ドル
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配当利回り:1.84%
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運用報酬:年率0.41%
世界的な大手金融機関から中小型株である地方銀行に話題を移したい。地方銀行の特性としては「収益で測った2021年の地方銀行業界の市場規模は2132億ドルである」との調査が出ている。
iShares US Regional Banks ETF (NYSE:IAT) は米国の金融業界のサブセクターである地方銀行を投資対象としている。四半期ベースで入れ替えを行っている当ETFは2006年に5月に設定された。
当ETFは39銘柄によって構成されており、Dow Jones US Select Regional Banks Indexに連動した値動きになるよう設計されている。運用資産残高は13.8億ドルだ。
保有上位10銘柄で全体の60%が構成されており、保有銘柄にはPNC Financial Services (NYSE:PNC)、Truist Financial (NYSE:TFC)、US Bancorp (NYSE:USB)、First Republic Bank (NYSE:FRC)、SVB Financial Group (NASDAQ:SIVB)などが含まれる。
年初来、当ETFは37.6%以上上昇し、10月下旬には上場来高値を更新した。それ以降は5%超反落している。株価収益率および株価純資産倍率はそれぞれ21.62倍と1.61倍だ。短期的には60ドルまで値下がりがみられるかもしれないが、今後の金利先高感を勘案すると魅力的な投資機会となるかもしれない。
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