今週、世界の金融市場は大きな混乱に見舞われている。オミクロン株の感染拡大に対する懸念を受けて、米国の株式市場は今年最悪の暴落をみせている。初期の研究によると、オミクロン株は従来の変異株よりも感染力がはるかに強いとされている。
コロナウイルスの感染被害の急速な拡大による経済的影響を判断するには依然として時期尚早であるが、以下の3社は今回のコロナ禍の恩恵を受ける可能性が高い。
1. Pfizer
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年初来パフォーマンス:+60.1%
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時価総額:3309億ドル
Pfizer (NYSE:PFE)は、コロナワクチンの開発競争では大きな勝利者の一つとして浮上した。今年の製薬業界では、パンデミックに対する前例のない世界的なワクチン接種政策の恩恵を受けているが、当社はその中でも突出した業績を上げている。
実際、ドイツの製薬メーカーであるBioNTech社(NASDAQ:BNTX)と共同開発したファイザー製のワクチンは、瞬く間に同社の歴史上で最も売れた製品の一つとなった。
同社は11月2日に発表した第3四半期の売上および収益の中で、コロナワクチンの2021年通年の売上予想を7.5%増の360億ドルに引き上げた。また、2022年についても、より多くの国と追加接種用ワクチン供給契約を結び、小児への投与が完全に承認されたことから、予想を上方修正した。
先週、パンデミックは2024年まで続くと警告し、オミクロン株に対応した最新版のワクチンの臨床試験を1月に開始する予定であると述べた。同社は、2歳から16歳までの子供を対象に、3回接種のワクチンを開発する計画を発表した。
さらに未発売の抗ウイルス剤を開発した。この抗ウイルス剤は、高リスクの患者の入院や死亡を防ぐために、90%近い有効性があると主張している。現在、食品医療品局(FDA)の認可待ちである。
同社の株価は36.81ドルで始まり、12月20日につけた史上最高値61.71ドルに及ばないものの火曜日は58.95ドル引けた。現在の水準では、Johnson & Johnson (NYSE:JNJ)、AstraZeneca (NASDAQ:AZN)、Merck (NYSE:MRK)、Eli Lilly (NYSE:LLY)など、同セクターの他の有名企業を上回る業績を上げている。当社の時価総額は3,309億ドルである。
年初から約60%上昇し、ダウ工業株30種平均とS&P 500種指数の上昇率を上回っている。
ワクチンの主要メーカーの一つとなった同社が、現在のオミクロン株の大流行の中で、引き続きアウトパフォームすると期待する。アナリストはやや保守的であるが、InvestingProの定量モデルでは、現在の株価水準から25%上昇して、76.44ドルを適正価格と予想している。
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出所:InvestingPro
2. Thermo Fisher Scientific
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年初来パフォーマンス:+38.5%
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時価総額:2543億ドル
診断検査キット、実験室用ハードウェアおよび消耗品の世界最大級のメーカーであるThermo Fisher Scientific (NYSE:TMO)は、コロナウイルス検査製品の旺盛な需要により、今年の医療分野のトップ・パフォーマーとなった。また、コロナワクチンや治療薬の原材料も供給している。
同社は、2020年3月にSARS-CoV-2検査の食品医療品局(FDA)から緊急使用認可を取得しており、第3四半期にはコロナウイルス関連製品およびサービスの売上が20億5,000万ドルとなった。現在、世界的にオミクロン株の感染者が急増中であることを考えると、年末から2022年初頭にかけて、同社の検査キットに対する世界的な需要が高まると考えられる。
同社は、10月27日に発表した企業決算で、業績および収益が好調であるとし、通期の収益予想を12億ドル増の371億ドル(前年同期比15%増)に引き上げた。コロナ関連の年間収益は67億ドルから77億ドルに増加すると予想している。
また2022年の収益予想を2億ドル増の405億ドルに上方修正し、現在の市場環境の中で同社の事業がいかに好調かを示した。
2021年も残すところ後1週間だが同社の株価は今年40%近く上昇し、S&P500を大きく上回るパフォーマンスを示している。年初は465.78ドルで取引をスタートし、11月26日には史上最高値666.65ドルまで上昇した後、火曜日の終値あ645.34ドルとなり、時価総額は2543億ドルに達した。
オミクロン株をめぐる懸念が引き続き市場心理を支配している中、同社は新年に向けて優れた業績上昇を示すだろう。実際、InvestingProの定量的価格モデルでは、現在の株価水準から10%上昇して、714.98ドルを適正価格と予想している。
Chart: InvestingPro
3. Datadog
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年初来パフォーマンス:+80.3%
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時価総額:554億ドル
ソフトウェア開発者や情報技術(IT)部門向けにセキュリティ監視・分析プラットフォームを提供するDatadog (NASDAQ:DDOG)は今年入り目覚ましい上昇をみせている。FedEx (NYSE:FDX)、AT&T (NYSE:T)、Airbnb (NASDAQ:ABNB)などを主要顧客として持つ。法人向け事業における同社のクラウド・オブザーバビリティ・ソリューションへの需要の高まりを受けて、株価は年初から80%も上昇している。
98.44ドルで今年の取引を開始した同社は、11月17日に199.68ドルの史上最高値をつけた。火曜日は177.49ドルとなり、時価総額は550億ドルを超えている。
コロナ禍に起因するリモート・ワーク環境が、同社のクラウド・ベースのサイバー・セキュリティ・ソフトウェア・サービスへの需要を促進していることから、今後数週間でさらなる上昇が見込まれる。
当然ながら、コロナの大流行により企業はデジタル化の流れとクラウドへの移行を加速せざるを得なくなったため、同社は今年の各四半期に市場参加者の売上および収益予測を上回る業績を達成してきた。
直近の発表では、11月4日に前年同期比の売上成長率は160%増の1株利益0.13ドル、売上高は75%増の2億7,050万ドルを記録したが、これはクラウド・ベースのセキュリティ・ツールに対する需要の高まりを反映したものである。
実際、9月30日現在、年間経常収益が10万ドル以上の同社の顧客は1,610社で、前年同期の1,015社から約60%増加している。
今後の見通しについて1月に終了する当四半期のガイダンスで、同社は今後数ヶ月間で事業に減速をもたらすような逆風はないとの見通しを示した。収益は、前年同期比で約64%増加し、過去最高の2億9,100万ドルになると予想している。
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