エコノミストたちは、新年に米国の消費者が好調を維持できるかどうかを議論している。国際通貨基金(IMF)は、2022年の世界の経済成長率が5%に届かないと予想している。一方、The Conference Boardは次のように示唆している。
「...米国経済は、2022年に前年比3.5%、2023年に同2.9%の成長を遂げるだろう。」
このような潜在的な成長率が、株式市場のさまざまなセクターにとって具体的にどのような意味を持つのかを予測することは容易ではない。加えて、インフレ率の上昇により、FRBはすぐに行動を起こすだろう。
そのため、今年の投資においては、短期的なボラティリティと時折みられる短期的な利益確定の動きが想定される。とはいえ、多くのアナリストは、金融、不動産、製造、および一般消費財の各企業が今後の四半期で好調な収益を上げると予想している。そこで本日の記事では、注目すべき2つの景気敏感性の高い(シクリカル)ETFをご紹介しよう。
1. Invesco S&P SmallCap Consumer Discretionary ETF
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現在の価格:107.94ドル
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52週間のレンジ:86.02ドル~126.08ドル
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配当利回り:0.58%
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運用報酬:年率0.29%
米国経済分析局が発表した指標によると、
「11月の個人所得は月次で904億ドル(0.4%)増加し、個人消費は1047億ドル(0.6%)増加した。」
同様に、インフレ水準の高さが懸念されたものの 消費者信頼感指数は高水準で2021年を終えた。12月は、「115.8(1985年の水準を100と指数化)で、11月の111.9(上方修正)から上昇した」と分析している。
そのため、アナリストは今後数ヶ月の間に米国経済が拡大すると予想している。この評価に同意する読者は、最初に紹介するETFである Invesco S&P SmallCap Consumer Discretionary ETF (NASDAQ:PSCD)を詳しくみてみるといいだろう。当ETFは、米国における小型の一般消費財企業に投資している。これらの企業には、レクリエーション、レジャー、家庭用耐久財、小売、自動車、不動産、メディアなどの分野で事業を営む企業が含まれる。2010年4月に取引を開始した。
85の保有銘柄を持つ当ETFは、S&P SmallCap 600 Capped Consumer Discretionary Indexに連動するよう設計されている。組入上位上位10銘柄は当ETF全体の純資産4,960万ドルの約30%を占めている。サブ・セクターでは、専門小売(31.56%)、耐久消費財(16.71%)、ホテル・レストラン・レジャー(11.84%)、自動車部品(11.50%)、繊維・アパレル・高級品(9.87%)となっている。
ジュエリー小売のSignet Jewelers (NYSE:SIG)、自動車小売の Asbury Automotive (NYSE:ABG)、一戸建て住宅建設のMeritage Homes (NYSE:MTH)、輸送市場のOEM(相手先ブランド)に部品を提供する LCI Industries (NYSE:LCII)、ウエスタン・スタイルのフットウェアとアパレルを展開するBoot Barn (NYSE:BOOT)などがが組入銘柄に名を連ねている。
過去12ヶ月間で当ETFは22.6%上昇し、2021年6月には史上最高値を記録した。それ以来、当ETFは下押し圧力を受けている。(株価収益率)PERは9.63倍、株価純資産倍率(PBR)は2.52倍となっている。興味のある読者は、これ以上の下落で当ETFに買いを入れる機会と考えることができるだろう。
2. ALPS Global Travel Beneficiaries ETF
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現在の価格:25.02ドル
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52週間のレンジ:23.08ドル~27.31ドル
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配当利回り:0.56%
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運用報酬:年率0.65
旅行関連銘柄を調査している投資家は、米国の旅行・観光産業が2022年に28%以上の成長を遂げ、約2兆ドルの経済効果があることに興味を持つかもしれない。さらに、最近の指標では、2022年から2026年の間に、世界の旅行市場は約4億5000万ドル、年平均成長率(CAGR)13.8%以上の成長が見込まれている。
次に紹介するETFであるALPS Global Travel Beneficiaries ETF (NYSE:JRNYは、世界の旅行業界に属する企業に投資するものだ。そのような企業には、航空会社、ホテル、クルーズライン、カジノのほか、旅行予約プラットフォームや、航空会社に飛行機や部品を提供するメーカーなどがある。2021年9月に取引が開始されたため、取引履歴の少ない小規模なETFである。
75の保有銘柄を持つこのETFは、S-Network Global Travel Indexに連動するよう設計されている。組入上位10銘柄が、750万ドルの純資産の44%近くを占めている。一般消費財が46.25%と最も高い配分となっている。次いで、産業(27.90%)、生活必需品(11.90%)、通信サービス(4.87%)となっている。
旅行・レストラン予約プラットフォームのBooking (NASDAQ:BKNG)、ホスピタリティの大企業であるMarriott International (NASDAQ:MAR)とHilton (NYSE:HLT)、航空宇宙大手のBoeing (NYSE:BA)、総合決済・金融サービスグループのAmerican Express (NYSE:AXP)、エンターテイメント大手のWalt Disney (NYSE:DIS) などが上位組入銘柄として挙げられる。
設立以来、当ETFはほぼ横ばいだが、12月下旬以降は約6%のリターンを記録している。興味のある読者は、押し目買いをすることを視野に入れて、この当ETFをさらに調査する必要がある。