株式市場は先週金曜日に急落し、ベンチマークであるS&P500種指数は重要な節目(4500ポイント)を割り込み、高止まりするインフレとロシア・ウクライナ情勢の緊張が懸念される中、金融市場は今週も不安定な状態となるだろう。
Walmart (NYSE:WMT)、NVIDIA (NASDAQ:NVDA)、Cisco (NASDAQ:CSCO)、Shopify (NYSE:SHOP)、Roku (NASDAQ:ROKU)、DraftKings (NASDAQ:DKNG)、Roblox (NYSE:RBLX)などの企業から今週注目すべき決算発表が予定されている。また、米国の小売売上高と生産者物価指数の最新レポートなど重要な経済指標の発表も控えており、市場の動きは再び活発になることが予想される。
どのような相場展開になるにせよ、以下で今週の強気銘柄と弱気銘柄を紹介する。ただし、この予想期間はあくまで今週までのものとする。
強気銘柄:Palantir
2022年に入ってから約27%下落したPalantir Technologies (NYSE:PLTR)の株価は、ようやく最近の下落基調から脱し、今後数日で上昇トレンドに転じるとみられる。同社は2月17日(木)の市場取引開始前の午前7時(米国東部標準時)に第4四半期の決算発表する予定だが、こちらでは新しい好材料の言及があると期待されている。
コンセンサス予想では、2020年9月の上場以来毎四半期で利益と売上が予想を上回ってきた同社は、今回売上4億1760万ドル、1株当たり利益0.03ドルを計上するとされている。
同社の売上は過去最高となり、世界中の政府機関や大企業から同社のデータ分析ソフトウェア・ツールに対する旺盛な需要が浮き彫りになるだろう。
このことを踏まえ、急成長するデータ・マイニング業界における同社の優位性を考えると、今期以降の同社の売上およびフリー・キャッシュ・フローの見通しは、上方修正される可能性がある。
1月24日に11.75ドルと2020年11月5日以来の安値となった同社の株価は、金曜日は13.13ドルで引けた。同社の時価総額は263億ドルとなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの懸念から、投資家が高値圏にて推移するハイテク株を手放す中、同社の株価は年初から27.9%下落し、市場全体を大きくアンダーパフォームしている。
弱気銘柄:DoorDash
DoorDash (NYSE:DASH)は、直近の取引で株価が最安値まで下落したが、2月16日(水)の取引終了後に同社は四半期決算の発表を控える。こちらはすでに軟調な内容になるだろうと予想されており、今週も上値の重い環境が続くだろう。
アナリストは、第4四半期の1株当たり損失が0.21ドルになると予想しており、前年同期の1株当たり損失0.36ドルからは縮小するとしている。一方、売上は前年同期比約32%増の12億8,000万ドルになると予想されている。
Uber Eats (NYSE:UBER)やGrubhub (NYSE:GRUB)といった競合他社との競争が激しいなか、2020年12月のIPO以来、売上の成長ペースは最も低いものになるだろう。
同社の年率売上高成長率は、2021年第1四半期の351%から、同第2四半期の242%、同第3四半期のわずか45%へと急激に低下しており、上場して間もなく成長がピークを迎えたのは、会社としての実力ではなく、運良くコロナによる高い需要がみられたからだったのではないかとの懸念が強まっている。
そのため、パンデミック時には旺盛な需要があった同社のフード・デリバリー・サービスも、パンデミックに伴う外出規制の終了やインフレによる収益の悪化により、さらに成長が鈍化する可能性があると考えられる。
同社は2022年に向けて厳しいスタートを切った。株価は先週(まだ上場して日が浅いが)遂にIPO価格の102ドルを割り込んだのである。中核事業の大幅な減速懸念に加え、ベース金利の急上昇により、特に不採算や高い株価収益率を持ち、割高水準にあるグロース株が売られ、同社もその影響を受けた。
同社の株価は先週金曜日は95.01ドルで終え、2月3日につけた上場来安値の91.96ドルに迫っている。足元、同社の時価総額は326億ドルと、年初来で36%下落し、11月のピーク時から63%も低下している。
テクニカル面では、株価は下落中の50日、100日、200日移動平均線を大きく下回っており、これは通常、売り手が大勢であり、今後さらに下落幅が拡大することを示唆している。