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輸送コストの上昇に伴って離陸する可能性のある2つのETF

発行済 2022-02-16 23:24
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投資家は通常、決算シーズンになると多くの業界のフロントランナーに注目する。2月上旬、脚光を浴びていた名前のひとつが、物流大手のUnited Parcel Service (NYSE:UPS)だった。ジョージア州サンディスプリングスを拠点とする同社は、記録的な四半期決算と49%の増配を発表した。

市場はこれを歓迎し、UPSの株価は決算後に約15%上昇し、過去最高値の233.72ドルを記録した。しかしその後、株価はその上昇分のかなりの部分を失い、火曜日の終値は217.26ドル、年初来では1.8%、過去1年間では34.5%の上昇となった。

UPS Weekly Chart

経営陣は、電子商取引の需要増加と利益率の向上というバラ色の絵を描いた。さらに、収益の10%は、非常に良好な収益を発表したAmazon (NASDAQ:AMZN)からのものだった。またサプライ・チェーンの問題は、同社に強い価格決定力があることを意味している。

UPSの決算内容により、輸送株の先行きに対する最近の不安感が少し落ち着いた。過去12ヶ月で15.4%のリターンを上げたものの、2022年に入ってからは、エネルギー・コストや人件費の高騰がここ数ヶ月で大きな懸念材料となっているため、広くフォローされているダウ輸送株20種平均は6.7%の下落となっている。

現在投資家は、UPSの明るい見通しが、今後の四半期で輸送セクターの最高値を更新できるかどうかに注目している。

前回までに、他の3つのETF記事1ETF記事2を紹介したが、今回は輸送セクターに強気な投資家にとって魅力的な2つのETFを紹介しよう。

FedEx (NYSE:FDX)が3月17日に2022年度第3四半期決算を発表することも注目に値する。これらの数字は、今年の残りの期間における同セクターのパフォーマンスをより深く理解するのに役立つだろう。

1. First Trust NASDAQ Transportation ETF

  • 現在の価格:32.49ドル

  • 52週間のレンジ:29.41ドル~36.18ドル

  • 配当利回り:0.72%

  • 経費率:年率0.60%

米国の物流・輸送業界は競争が激しい。そのため、市場では経済成長の先行指標として注目されている。

そのサブ・セクターには、物流、航空および速達便サービス、貨物鉄道、海上輸送、トラック輸送などがある。

今回紹介する最初のETFであるFirst Trust NASDAQ Transportation ETF (NASDAQ:FTXR)は、米国の輸送企業に投資する。当ETFは2016年9月に取引を開始した。

FTXR Weekly Chart

29の保有銘柄を持つ当ETFは、NASDAQ US Smart Transportation Indexに連動するように設計されている。組入上位10銘柄で純資産11.3億ドルの55%近くを占めている。

サブ・セクターでは、鉄道(17.29%)、トラック輸送(16.37%)、航空会社(15.49%)、自動車(15.73%)、宅配便(8.33%)となっている。

大手自動車メーカーのFord (NYSE:F)、鉄道グループのUnion Pacific (NYSE:UNP) とCSX (NASDAQ:CSX)、小口トラック貨物輸送会社のOld Dominion Freight Line (NASDAQ:ODFL)、トラック・メーカーの PACCAR (NASDAQ:PCAR)などが主要な保有銘柄として挙げられる。

過去12ヶ月間、当ETFのリターンは6.1%で、1月初旬には過去最高値を記録した。しかし、その後、売り圧力を受け、前年同期比で6.45%の損失となった。

最近の下落にもかかわらず、バリュエーションはまだ割高な面がある。株価収益率(PER)は21.91倍、株価純資産倍率(PBR)は3.33倍となっている。したがって、興味のある読者は、31ドル近辺まで下落するのを待つのがよいだろう。

2. US Global Sea To Sky Cargo ETF

  • 現在の価格:20.85ドル

  • 52週間のレンジ:18.75ドル~21.10ドル

  • 経費率:年率0.60%

PricewaterhouseCoopersによる「Transportation & Logistics 2030」と題した最近の調査では、以下の点が強調されている。

「アジアとアフリカ、アジアと南米、アジア域内を結ぶ新たな貿易回廊により、グローバルなサプライ・チェーンが再構築される。貿易量の中心を占めるのは新興市場にシフトし、後発開発途上国はグローバル市場への第一歩を踏み出すことになるだろう」と述べている。

一方、世界貿易の約80%は海上輸送と世界の港に依存している。次のETFであるUS Global Sea to Sky Cargo ETF (NYSE:SEA)は、世界の海上輸送や航空貨物分野の企業に投資する。2022年1月に初上場した、純資産額は約870万ドルの新しくて小さなETFである。

SEA Daily Chart

29銘柄を保有する当ETFは、US Global Sea to Sky Cargo Indexに連動するように設計されている。当ETFの半分以上が組入上位10銘柄で占められている。

名前の通り70%は海上輸送で、残りは航空貨物/輸送業者である。米国の企業が最も多く、27%を占めている。次いで、香港(19%)、台湾(14%)、日本(14%)、ドイツ(7%)などの企業が挙げられている。

ZIM Integrated Shipping Services (NYSE:ZIM)、Orient Overseas International (OTC:OROVY)、COSCO SHIPPING (OTC:CICOY)、Nippon Yusen (OTC:NPNYY)などがポートフォリオの組入上位銘柄として挙げられる。

当ETFは、1月20日に20.10ドルの初値で取引を開始した。現在は20.85ドルで取引されている。すでに述べたように、取引履歴の少ない小規模なETFである。したがって、興味のある読者は、「購入」ボタンを押す前に、さらにデュー・デリジェンスを行う必要がある。

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