高成長テクノロジー株は、2022年の荒いスタートを耐え抜いてきた。米国債利回りが上昇する中、FRBはよりタカ派になり、現在では実際に利上げが開始されている。以前は熱狂的だったハイテク株が急激に売られている。
一般に、利回りの上昇やFRBの金融引き締めへの期待は、高バリュエーションの高成長ハイテク株にとって、長期的なキャッシュ・フローの価値を損なう恐れがあり、大きな重しとなる傾向がある。NASDAQ 100は、ハイテク株の多いNASDAQ総合に上場する大手企業100社を対象にしたもので、年初来では10.2%下落しており、ダウ平均とSP500のリターンに遅れをとっている。
しかし、先週はグロース株が大きく上昇し、主要株価指数はいずれも2020年11月以来最高の週を記録した。
以下では、投資家がこのグロース株に回帰する際に考慮すべき、下落からの反発が期待できるハイテク企業3社を取り上げる。この3社はいずれも、まだ十分な成長余地があり、長期的な投資対象として有望であると考える。
1. Snowflake
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年初来パフォーマンス:-33.6%
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最高値からの下落率:-47.5%
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時価総額:689億ドル
Snowflake Inc. (NYSE:SNOW) - 膨大な量の情報を管理・保存を手掛ける同社は、FRBの金融引き締めに対する懸念から、多くの大手テクノロジー銘柄が暴落し、最近乱高下に耐えている。
クラウド・ベースのデータ・ストレージと分析を提供する同社の株価は、3月15日に史上最低の164.29ドルまで下落し、ハイテク・セクターの広範囲な暴落により、年初来で33.6%下落している。SNOWは火曜日に224.96ドルで引け、2020年12月に到達した428.68ドルの過去最高値から約47.5%低下している。現在の水準で時価総額は689億ドルだ。
最近の変動は激しいものの、在宅勤務の環境が続く中、同社のデータ分析・管理ツールに対する大企業の需要が堅調であることから、SaaS型企業の株価は今後数週間で回復すると予想している。
フォーチュン500社の約半数を顧客に持つスノーフレークは、3月2日に第4四半期決算を発表し、市場予想を大きく上回った。 売上高は前年比101.5%増の3億8370万ドルで、四半期売上としては過去最高となる。
このSaaS企業は、第4四半期末時点で5,944の顧客を持ち、前年同期比44%増となった。さらに素晴らしいことに、100万ドル以上の年間経常収入(ARR)を持つ顧客は184社で、前年同期の77社からなんと139%も増加したという。
Investing.comが調査した29人のアナリストのうち22人がSNOWの株を「アウトパフォーム」と評価しているのは驚くことではないだろう。
出所:Investing.com
2. Etsy
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年初来パフォーマンス:-32.3%
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最高値からの下落率:-51.8%
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時価総額:188億ドル
金利上昇の影響を最も受けやすい高成長ハイテク株は、その高騰したバリュエーションから投資家がますます離れていく中、Etsy (NASDAQ:ETSY)はここ数ヶ月、大苦戦を強いられている。
2020年と2021年のコロナ禍発生時にそれぞれ301%と23%という大幅な上昇を記録した後、ハンドメイドやビンテージ商品のオンラインeコマース・プラットフォームを提供するEtsyは、金利上昇への懸念がハイテク・セクターからの資金流出を引き起こし、株価が年初来で約32%下落した。
ETSYは直近148.25ドルで取引を終え、2021年11月につけた過去最高の307.75ドルを52%近く下回っている。現在の時価総額は188億ドルだ。
Etsyの株価は、現在のインフレ環境下で世界中の人々が同社のオンライン・マーケットプレイス・プラットフォームに殺到していることから、最近の下落から回復し、短期的に上昇に転じる準備が整っていると期待される。
同社のビジネスがここ数ヶ月でいかに好調であるかを示すものとして、2月24日に発表した第4四半期決算では、売上と収益は市場予想を優に上回った。
この四半期のハイライトとして、同社のアクティブ・バイヤー数は前年同期比17.6%増の9,630万人になった。また、プラットフォーム上の取引数も急増し、アクティブな売り手は前年同期比72%増の750万人に達した。
さらに、Eコマース分野で取引額を測る重要な指標であるアクティブ・セラーあたりの商品総売上高(GMS)は16%増加し、過去最高の136ドルに達した。実際、Investing.comが調査した18人のアナリストのうち14人がETSY株を楽観視しており、今後12カ月で43%近く上昇し、1株当たり212.44ドルになると予測している。
出所:Investing.com
3. Unity Software
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年初来パフォーマンス:-31.9%
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最高値からの下落率:-53.6%
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時価総額::286億ドル
Unity Software Inc. (NYSE:U) は、デスクトップ、モバイル、コンソール、バーチャル・リアリティ (VR) デバイス向けのビデオ・ゲームを作成するために使用されるクロスプラットフォームのゲームエンジンを提供している。かつての市場の寵児としてもてはやされた同社は足元投資家の人気を失い、2022年の厳しいスタートに見舞われている。
カリフォルニア州サンフランシスコに本拠を置くこのハイテク企業の株価は、2020年9月の取引開始以来の最安値を記録し、今年に入ってからは、活況を呈するハイテク市場全体で評価が調整された結果、約32%下落している。
株価は昨日97.40ドルに落ち着いたが、現在、2021年11月に到達した198.71ドルの史上最高値を約54%下回って取引されており、時価総額は286億ドルとなっている。
ユニティは、ゲームやデジタル・コンテンツ制作のプラットフォームに対する強い需要があるため、直近の株価下落にもかかわらず、今後も優良な投資先となるかもしれない。また、次世代のインターネットとして注目されているメタバースへの関与が高まっていることも、ユニティが有利に働くと考えられる。
2月3日に上場後6回目となる四半期報告を発表したが非常に良好な決算内容であったことから、通年の売上高ガイダンスを引き上げることになった。同社は、1株当たり0.05ドルの調整後損失を計上したが、これは前年同期の1株当たり0.10ドルの損失から大幅に縮小している。売上高は、前年同期比43%増の3億1,580万ドルで、売上高予想の2億9,550万ドルを上回った。
同社のプラットフォームで10万ドル以上を消費する顧客数は、第4四半期に1,052人となり、前年同期の793人から33%増加した。2022年通期について、ユニティは売上高を約15億ドルと予想しており、これは年率換算で35%の成長率に相当する。2023年中に収支均衡を達成する見込みだ。
Investing.comによると、投票した17人のアナリストのうち、14人がU株を「アウトパフォーム」と評価した。アナリストの平均目標株価は約154ドルで、今後12カ月間で現在の水準から約58%上昇することになる。
出所:Investing.com