金利、原油価格、ロシア・ウクライナ紛争は、今週の株式市場の取引に引き続き影響を与えるが、数週間のリスク・オフ・センチメントによる株式の下落傾向の後、投資家はリスクを取ることを望んでいるようにもみえる。
主要4指数はすべてプラスで終え、2週連続の勝ち越しとなった。ダウ工業株30種平均は0.3%、S&P500は1.8%、NASDAQ100は2.0%それぞれ上昇した。
ウクライナ戦争が続き、先週は米国債のイール・ドカーブの主要部分が逆転し、経済が後退に向かう可能性が高まる中、株式市場は反発している。イールド・カーブの逆転は歴史的に景気後退に先行してみられるものであるが、100%正確に未来を予言できるものではない。
このようなマクロ面での相反するシグナルの中で、注目している3銘柄を紹介する。そのうち2銘柄は今後最新の決算発表を行う予定だ。
1. Tesla
電気自動車メーカー最大手のTesla (NASDAQ:TSLA)は週末に、2022年第1四半期に過去最高の納車数を達成したと発表し、今週も株価は上昇基調を続ける可能性がある。
イーロン・マスク氏が「例外的に」困難な第1四半期であったと述べたように、継続的なサプライ・チェーンの混乱があった中で、同社はグローバルで310,048台の車を納車した。これはアナリストの予想をわずかに上回る水準であった。
テスラの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏は、ツイートで次のように述べた。
「サプライ・チェーンの混乱と中国のゼロ・コロナ政策により、例外的に困難な四半期となった。テスラと主要サプライヤーによる卓越した仕事が、窮地を救った。」
週末の発表前の段階で、テスラは困難なサプライ・チェーン問題をうまく乗り切っているという楽観的な見方から、テスラ株は過去2週間で37%以上上昇し、車の需要も好調を維持していた。金曜日の株価は1,084.59ドルで取引を終えている。
2. Levi Strauss
アパレルメーカーの Levi Strauss (NYSE:LEVI)は、市場終了後の4月6日(水)に2022年度第1四半期決算を発表する。アナリストは平均して、15億4000万ドルの売上高で1株当たり0.41ドルの利益を予想している。
象徴的なリーバイス・ブランドのジーンズでよく知られる同社は、1月に予想を上回る売上見通しを発表し、値上げが製品への需要を妨げていないと述べた。
インフレの逆風を受け、11月28日に終了した第4四半期に広範なアパレル商品で約10%の値上げを行ったにもかかわらず、減速の兆しはみられないという。この好調な見通しは、パンデミックによる2年間の減速の後でも、衣料品に対する消費者の需要が堅調であることを示している。
このような明るい見通しにもかかわらず、投資家はリーバイスの株を所有することに魅力を感じていない。同株式は今年に入ってから20%以上下落し、同期間に約5%下落したS&P500を大きく下回っている。金曜日の終値は19.83ドルだった。
3. Constellation Brands
米国を拠点とするコロナ・ビールの生産者、Constellation Brands (NYSE:STZ)は7日(木)の市場取引開始前に2022年第4四半期の業績を発表する。 アナリストは売上高20億2000万ドルで1株当たり利益を2.1ドルと予測している。
エナジードリンクを製造するMonster Beverage (NASDAQ:MNST)との合併を協議中との憶測が流れる中、最新の決算を発表する。
2月に発表されたBloombergのレポートによると、交渉が順調に進めば数週間以内に合併の合意に達し、約900億ドルの価値を持つ企業が誕生する可能性があるとのことである。
同レポートは次のように指摘している。
合併が実現すれば、エナジー・ドリンク、アルコール飲料、そして潜在的にはマリファナというユニークな組み合わせが誕生することになる。コンステレーション社は、カナダの大麻企業で同国でTHC入り飲料を販売している Canopy Growth (NASDAQ:CGC)の40%近い株式を保有している。コンステレーション社との提携はモンスター社にとって成長の機会を開く可能性がある一方、両社は異なるセグメントで事業を展開しているため、コスト削減の機会は限られているとみるアナリストもいる。」
今年に入ってから約7%下落したSTZの株価は、金曜日に233.71ドルで取引を終えた。