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インフレ率の上昇により、投資家の債券投資による収入は低下
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高コスト環境では、インフレ率よりも早く増配される配当銘柄の購入が魅力的
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ホーム・デポは、過去10年間、年平均21%の配当成長率を達成
米国の消費者物価指数は3月に1981年後半以来最も上昇し、生活費の負担増が深刻化している。労働省のデータによると、消費者物価指数は2月の前年比7.9%上昇したあと、3月は前年同月比8.5%増となった。
インフレ率の急上昇は、投資からのリターンの低減をもたらす。特に、固定利付(クーポン)の資産クラスで、平均的な物価上昇率を大きく下回る利回りである場合は、なお問題となる。
このような環境下では、インフレ率よりも早く配当金が上がる優良な配当銘柄に投資をするのが得策である。
株式は高リスクであるため、投資家はポートフォリオのボラティリティに備える必要がある。しかし、堅実なバランス・シートと配当実績を有する優良銘柄に注目することで、そのリスクを軽減することができる。
このテーマを念頭に置き、インカム・ゲイン志向の投資家が今購入を検討できる2銘柄を以下に挙げる。それぞれの銘柄は、堅実なキャピタル・ゲインと、物価上昇の影響に対抗するための大幅な増配の可能性を持っている。
1. Home Depot
ホームセンター大手のHome Depot (NYSE:HD)は、インフレに対抗し、増配傾向のある配当金を得るためにポートフォリオに入れるべき優れた銘柄である。火曜日は306.29ドルで引けた。
アトランタを本拠地とする同社は、インフレ率よりもはるかに速いスピードで配当金を増やしてきた素晴らしい実績を持っている。過去10年間、平均で年間21%の配当の伸びを実現してきた。同社はまた、長期にわたって良好な決算報告をしてきた。
年間配当利回りは2.48%で、四半期の配当支払いは1.9ドルである。そして、配当性向は42%と管理しやすい水準に留まる。特に住宅ブームの進行で製品需要の増加の恩恵を受けているため、配当金は今後も成長する余地がある。
先週、UBSは成長に対するリスクが高まっているときに配当を減らす可能性が低いという「優良」配当銘柄のリストにホーム・デポを加えた。分析メモにはこうある。
「定量的モデルを用いて、同業他社と比べて質が高く、配当金を支払っており、減配の可能性が低い銘柄を探し出した」。
Investing.comのアナリスト35人による調査では、25人が現在この株を「買い」と評価し、12ヶ月の目標株価は21.58%の上昇の可能性を示唆している。
出所:Investing.com
2. Apple
この不安定な経済環境の中で、巨大な収益力と広い経済的余裕を持つ超大型ハイテク銘柄は、魅力的な投資対象であることが判明している。
iPhoneメーカーのApple (NASDAQ:AAPL)もそのような会社の一社である。AAPLは、今後何年にもわたって退職者にインカム収入とキャピタル・ゲインの両方を提供できる立場にある。アップルの火曜日の終値は167.66ドルだった。
カリフォルニア州クパチーノに本拠を置くこの巨大企業は、世界的な不況に対処し、利益を求める投資家を満足させる驚くべき力を備えている。世界で最も潤沢な現金を有する企業の1つである。証券取引所に提出された書類によると、同社のキャッシュ(現金、現金同等物、有価証券)保有額は12月25日現在、2000億ドル以上である。
このような資金力は、Appleがアナリストの予想を楽々と上回った前回の決算報告でも確認できた。
この株は、配当利回りが0.53%と小さいようにみえる。しかしこの数字だけにとらわれてはいけない。同社は増配と自社株買いの強力な組み合わせで、投資家のトータル・リターンを高めている。過去5年間、Appleは毎年10%ずつ増配してきた。現在、同社は四半期ごとに1株当たり0.22ドルの配当金を支払っている。
さらに、アップルは、S&P500に上場している企業の中で、最も自社株買いを行っている企業である。スマートフォン、パソコン、ウェアラブル製品を手掛ける同社は、9月に終了した2021年度に855億ドルを自社株買い、145億ドルを配当にそれぞれ費やしている。
これらの要因から、同社はアナリストの間で常に好んで選ばれている。
出所:Investing.com
Investing.comによる43人のアナリストの調査では、36人がAppleを「買い」と評価し、12ヶ月の目標株価は15.29%の上昇を示唆するコンセンサスが出ている。