7月31日、日米の通貨当局が円買いの協調介入に踏み切った。は155円23銭まで下落したが、4月30日から5月6日にかけて行われた日本の単独介入後の安値155円04銭を下抜けできなかった。今後、155円は強いサポートとして意識されよう。今回、FRBはで介入しており、ドルを売りたくない本音が透ける。
実際、今年1月のレートチェック後、は96を割り込み、トランプ大統領就任後の最安値をつけた。当時、ベッセント財務長官は日米協調介入に対し「絶対にない」と発言していた。米国は経常収支赤字国であり、その不足資金のファイナンスを海外勢による米国債投資に依存している。
過去の協調介入と比べると相違点も多い。1998年6月の日米協調円買い介入の場合、前年のアジア通貨危機がまだ収束しておらず、当時の日本は利上げできる環境になかった。2000年9月のユーロ買いG7協調介入では、国際的な通貨の枠組みを維持する狙いがあり、当時のECBも政策金利を4%台まで引き上げる自助努力を重ねていた。
ベッセント財務長官がFRBに対してFIMAレポ枠を拡大するよう要請したことも報じられている。FIMAレポはニューヨーク連銀に口座を持つ中銀や国際通貨当局が米国債を担保にドルを受け取る取引である。これを介入資金として転用することが許容されれば、日本は米国債を売却することなく介入資金を入手することが可能となる。ただし、ドルを調達できるのは担保として供給できる米国債の範囲内であり、金額の制約は残る上、当然取引最終日にはドルを返還する必要もある。
7月の米雇用統計が予想を大きく下回ったことを受け、9月の利上げ観測が後退している。8月下旬にはカンザスシティー地区連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール)が開催されるまで155~160円圏での推移が続くのではないか。
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