AIバブル崩壊にどう備える? 「投資特化型AI」が示す3つの原則
Investing.comは、新シリーズ「注目の割安株」をスタートする。この企画では、日本の割安株ランキングで上位30位に入った銘柄を分析し、割安と評価されている理由と上昇の可能性を探っていく。
割安株への投資の魅力は、条件が整えば、大きなリターンが見込めることだ。一方、「割安だから買いだ」と単純には言えない。事業構造や成長性に課題があれば、長期的に割安な状態が続く可能性もある。だからこそ、「なぜ割安なのか」を考えることが重要だ。
今回取り上げる日本テレビホールディングス(東証:9404)は、9月22日時点で日本の割安株ランキングの1位に位置している。同社株に関してInvestingProが示したフェアバリュー(適正価値)は4712円。直近取引日の18日終値3009円に対する上値余地は56.6%に達している。
ここで興味深いのが、競合する放送局銘柄との違いだ。テレビ朝日ホールディングス(東証:9409)の上値余地は30.3%、テレビ東京ホールディングス(東証:9413)は21.8%、TBSホールディングス(東証:9401)は9.6%となっている。一方、フジ・メディア・ホールディングス(東証:4676)のフェアバリューは2645円と算出され、現在値4039円に対して34.5%の下値余地が示されている。InvestingProのモデルは、主要民放の中でも日テレ株に対して56.6%と、突出して大きな上値余地を示している。

では、なぜ日テレ株はこれほど割安なのか。
日テレ再評価のカギを握る動画配信「Hulu」
ここで気になるのが、動画配信サービス「Hulu」の存在だ。実は日テレとHuluとの関係は長い。日本テレビは2014年4月、約37億円を投じてHuluの日本事業を取得した。当時の日テレは、地上波、BS、CSに加えてインターネットという新たな「伝送路」を持つことで、グループ全体のコンテンツ価値を高める戦略を示していた。
つまり日テレは、Netflixが日本に本格参入する以前から約12年にわたって定額動画配信に取り組んできたことになる。問題は、その先行投資が現在、どれほど競争力につながっているかだ。
国内SVOD市場は2025年に前年比14.3%増の6017億円まで拡大した。だが、調査対象となった14サービスのうち、前年からシェアを拡大したのはNetflix、TELASA、FOD、DMM TVの4サービスで、Huluは含まれていない。市場そのものが拡大するなか、少なくともシェアの面ではHuluが存在感を高めているとは言いにくい。
Huluを持っていること自体が日テレの弱点というわけではない。しかし、コンテンツ調達やシステムなどへの継続投資が必要な一方、それが十分な収益成長につながらなければ、株主から見た資本効率の面で重荷になり得る。この点は、Netflixを海外展開の足場として活用する競合と比較すると興味深い。
Netflixと連携深めるTBS
代表例がTBSグループだ。TBSホールディングスが2022年に設立したコンテンツスタジオ「THE SEVEN」は、Netflixと戦略的パートナーシップを結び、『今際の国のアリス』や『幽☆遊☆白書』などを手掛けてきた。2025年9月に配信された『今際の国のアリス』シーズン3は、Netflix週間グローバルTOP10の非英語シリーズ部門で世界1位を獲得。海外市場を狙ったコンテンツ戦略に、具体的な成果が見え始めている。
テレビ各社はいま、国内の広告を中心とする「放送局」から、世界市場で作品やIPを展開する「コンテンツ企業」への転換を競っている。その中で日テレにも動きが出ている。
その一つが、10月1日に始まる「HBO Max on Hulu」だ。開始と同時にHuluは月額料金を引き上げるが、そこに加わるのは『ゲーム・オブ・スローンズ』『セックス・アンド・ザ・シティ』『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』など知名度の高い作品群だ。こうした大型コンテンツの追加が、利用者や収益の拡大につながるかが注目される。
日テレ株が再評価されるカギの一つは、「テレビ局」から「成長するコンテンツ企業」への転換を数字で示すことだ。HBO Maxの投入によってHuluの利用者や収益が伸びる、海外で通用するヒット作品が生まれる、あるいは、買収した映像制作大手KANAMELを含むコンテンツ事業の利益成長が明確になる。こうした変化が確認されれば、現在の見方が変わる可能性がある。
逆に、強力なコンテンツを投入してもHuluの成長につながらず、海外事業でもTBSのような具体的成果が見えてこなければ、日テレ株が割安な状態にとどまる理由にもなり得る。
次の確認ポイントは中間決算だ。日テレの2027年3月期第2四半期(中間期)決算は10月末ごろの発表が見込まれている。広告収入だけでなく、Huluを含むデジタル事業、海外コンテンツ事業について新たなデータが示されるかにも注目したい。







