株式市場を襲う「5つの危機シナリオ」、米銀行大手が指摘
- 米国債利回りの上昇と原油高が米国株の重しとなっている一方、売り込まれた銘柄の中には、下げ止まりの兆しを見せ、買い場となる可能性がある銘柄もある。
- InvestingProの分析により、過去3カ月で30.1〜42.5%下落した一方、フェアバリューで29.1〜57.9%、アナリストの目標株価で36.6〜127.7%の上昇余地を持つ8銘柄が浮上した。
- 重要なのは、業績悪化などの理由で売られている銘柄と、本当に投資妙味のある割安株を見分けることだ。バリュエーション、財務健全性、アナリスト目標株価に加え、反発の兆しを確認することが重要だ。
米10年国債利回りは9月初旬に4.818%まで上昇し、2023年11月以来の高水準を記録した。原油価格の上昇に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)の今後の金融政策をめぐる不透明感が背景にある。
金利上昇はここ数カ月、多くの米国株の重しとなってきた。一方で、こうした下落は投資機会を探す投資家にとって、魅力的なエントリーポイントを生み出している可能性もある。
ただし、大きく下落した株がすべて「買い」とは限らない。業績悪化など、相応の理由で売られている銘柄と、本当に投資妙味のある銘柄を見分けるためには、特に3つの指標が役立つ。
当サイトが会員向けに提供するAI分析ツールInvestingProの「フェアバリュー」は、複数の一般的な企業価値評価モデルを組み合わせ、企業のファンダメンタルズに対して株価が割安か割高かを判断する指標だ。これにより、下落した株が単に以前より安くなっただけなのか、それとも利益や業績見通しと比較して本当に魅力的な水準にあるのかを判断できる。
InvestingProの「財務健全性スコア」は、100以上の要素を基に企業の財務状態を1〜5の5段階で評価する。
株価が割安に見えても、過剰な債務を抱えていたり、キャッシュフローに問題を抱えていたりする企業もある。このスコアを使うことで、そうした潜在的な「バリュートラップ」を除外しやすくなる。さらに、アナリストの平均目標株価を見ることで、その企業を継続的に分析している専門家の見方という、別の角度からの評価も加えることができる。
もちろん、急落する株を底値で拾おうとする「落ちてくるナイフをつかむ」投資には常にリスクが伴う。そのため、数カ月にわたって大きく下落しただけでなく、足元では下げ止まりや反発の兆しを見せ始めている銘柄を探すことも重要になる。
急落後に反発の兆しが見える銘柄を厳選
そこで今回は、Investing.comのスクリーナーを使い、以下の条件を組み合わせて銘柄を抽出した。
- 時価総額10億ドル以上
- 過去3カ月で25%以上下落
- 直近1週間で株価が上昇
- InvestingProのフェアバリューで20%以上の上昇余地
- アナリスト平均目標株価で20%以上の上昇余地
- InvestingProの財務健全性スコアが2.5/5を上回る
その結果、条件を満たす8銘柄が浮かび上がった。完全版のリストは、すでにInvestingProの会員で「Pro+プラン」を利用中の方向けに英語版サイトで公開している。Pro+へのアップグレードを希望する場合、こちらからアップグレードできる。
今回抽出された8銘柄は、いずれも過去3カ月で30.1〜42.5%下落している。だが、InvestingProのフェアバリューで見ると、現在の株価には29.1〜57.9%の上昇余地がある。さらに、アナリストの平均目標株価から見た上昇余地は36.6〜127.7%に達する。
下記にそのうちの2銘柄を紹介する。
- レジェンス(NASDAQ:LGN)
空調設備やプロセス配管、電気機械システムなどを手がける建築設備会社のレジェンスは、データセンター、ライフサイエンス、教育分野などにサービスを提供している。業績は堅調だが、株価は過去3カ月で大きく下落した。第2四半期の売上高は前年同期比110.7%増の12億6,000万ドルと2倍以上に拡大。AIインフラ需要の強さを背景に、受注残高も56億7,000万ドルに達した。
さらに、通期の調整後EBITDA見通しを5億6,500万〜5億8,500万ドルに引き上げている。しかし、市場ではBowersの統合に伴う利益率への圧力が懸念材料となっている。
InvestingProのフェアバリューは、レジェンス株に31.6%の上昇余地があるとみており、アナリストの平均目標株価から見た上昇余地も94.4%に達している。
- アップラビン(NASDAQ:APP)
モバイルアプリ向けにAIを活用した広告プラットフォームを展開するアップラビンは、Eコマース分野にも事業を広げている。同社の株価は、年初から半値以下まで下落した。
第2四半期決算の発表後には株価が約16〜20%下落した。調整後1株利益(EPS)は3.76ドルと市場予想に沿ったものの、売上高が市場予想をわずかに下回ったほか、第3四半期の業績見通しも予想を下回ったことが嫌気された。
一方、米証券取引委員会(SEC)が追加措置を取らずに調査を終了したことで、株価の重しとなっていた大きな不透明要因の一つは解消された。
InvestingProのフェアバリューは、アップラビン株に29.1%の上昇余地があるとみており、アナリストの平均目標株価から見た上昇余地も60.7%に達している。
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