日銀の12月利上げと米8月雇用統計

ドル円は8月31日週、大幅に下落した。先週金曜日28日にはウォーシュFRB議長のジャクソンホールでの講演を受けてドル買いが優勢となった。議長が「基調的物価の目標への鈍化に確信なければやるべき仕事ある」と利上げスタンスを示したためである。同時に発表された雇用統計の年次改定値では、2025年4月から2026年3月までの非農業部門雇用者数に対する改定値(暫定値)が7万9千人の減少にとどまったことが明らかになった。今週は円が独歩高となった一方、米国ではISM非製造業景気指数やADP雇用報告が予想を下回り、ドルはやや軟調に推移した。

2日には植田総裁が「次回の会合を含めて毎回の会合で利上げをしっかり議論する」と発言した。3日にはドル円が155円台まで急落したが、日銀の当座預金残高の事前予想と実績に大きな乖離はなく、FRBが公表したFIMAレポ実績もゼロであったことから、為替介入ではなかった。今週のドル円の安値は155円30銭にとどまった。年初来のドル円の安値は、レートチェック後が155円04銭、7月31日の協調介入後が155円23銭、今週が155円30銭と、わずかずつ切り上がるなど強いサポートラインだが、逆に下抜けした場合はレジスタンスになる点にも留意したい。

今週はベッセント財務長官が執拗に日本に利上げを求める発言を繰り返した。日銀の年内利上げに対する織り込みは2日にはほぼ2回に達した。これは四半期毎の利上げであり、来年半ばにも日本の政策金利が2%に達することになる。

米8月雇用統計では、非農業部門雇用者数をはじめ多くの項目が予想を上回った。労働参加率が上昇したにもかかわらず失業率は横ばいを維持した(小数点以下第2位まで求めると4.09%から4.14%に小幅上昇)。カンザスシティー連銀の労働市場情勢指数(LMCI)のモメンタムは7月時点ですでに4年ぶりの水準まで上昇していた。金融政策に対する見方はFRB内でも割れており、シュミット総裁やハマック総裁、ウォーシュ議長がインフレへの警戒を強める一方、ウィリアムズ総裁、ウォラー理事らはやや楽観的である。PCEのヘッドラインやコアが高止まりする一方、ダラス連銀算出の刈込中央値は2%台前半まで低下した。

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