後の雁が先になる:
トレンドはもはや長くは続かない。先週の動きはリスク回避であり、「安全資産」通貨の回復であったが、昨日、これらすべてが一転し、USDは全般的に回復した。リスク選好が回帰したため、大勝利を収めたのは、先週最も大きく下げたAUDであった。上昇の陰には、月曜日と今朝の東京株式市場のかなりしっかりとした回復があった。指数は現在、月曜日の始値水準から2%前後上昇している。東京の株価の上昇は、USD/JPYの上昇、すなわちリスクオンを意味する。
東京の株式市場は、最近、かなり変動が激しくなってきており、これが世界中の市場に影響し始めている。日本の当局は、問題に直面し、それらに取り組む以外に選択肢はないだろう。今さら後には引けない。大規模な量的緩和、インフレ率の上昇、財政刺激策を公約した以上、これを機能させなければならず、さもなければ、増大した負債と上昇した金利が政府を破綻させるだろう。したがって、向こう数ヵ月間は、彼らは必要なことはすべてやるだろうし、株価を支え、USD/JPYを上昇させるだろう。別の選択肢は、考えるだけでも恐ろしい。
今朝、フランスの消費者信頼感指数が発表され、5月は1ポイント上昇して85を記録すると予想されるが、しばらくの間、同じレンジ内で単にランダムな動きをするだけだろう。米国では、3月のケース/シラー住宅価格指数は、2月の前年比+9.3%から加速し、10.2%の上昇が予想される。その日遅くに、リッチモンド連銀およびダラス連銀の製造業指数が発表される。いずれも若干の回復を示すと予想されるが、今月の早い時期に発表されたニューヨーク連銀およびフィラデルフィア連銀指数は、市場を落胆させたため、今回も期待外れの結果となる可能性がある。その場合、EUR/USDが若干押し上げられるだろう。一方、米国の5月の消費者信頼感を示すコンファレンス・ボード指数も上昇したとみられる上、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想以上に上昇したことから、USDは押し上げられ、これにより、見込まれる影響の一部は相殺される可能性がある。
マーケット
EUR/USD
• 昨日、EUR/USDは非常に静かな一日となり、若干下げて終わった。オーバーナイトではさらに下落し、1.2880のサポートが試され、維持されつつある。これは、従来の安値、右肩下がりのトレンドライン・サポート、50%リトレースメント水準が存在する水準で、興味深い領域である。1.2780の11月の右肩上がりのトレンドライン・サポートが引き続き次のサポートである。レジスタンス水準は引き続き1.2980であり、次のより強力なレジスタンスは1.3075であろう。
USD/JPY
• 昨日、USD/JPYは、一日中100.80のサポートを試す展開となったが、これを突破することはできなかった。今朝、同ペアは反発し、上昇して、102.00のレジスタンスを試しつつある。次のレジスタンスは、102.70水準で、その次が103.30だろう。本日も下げるとすれば、100.80のサポートが、試される最初の水準であり、これを突破すれば、従来のサポートである99.90へと向かうだろう。
EUR/CHF
• 昨日、EUR/CHFは上昇し、1.2430のサポート水準から上方へ反発した後、オーバーナイトでも上昇し続けた。この水準は、2週間の上昇の50%リトレースメント水準であり、従来の安値でもある。同ペアは、依然として上昇トレンドにあり、今朝は、38.2%リトレースメント水準である1.2480を突破している。1.2580に向かっているようだ。サポートは1.2430水準にあり、その次のサポートは1.2380に現れるだろう。
Gold
• 金は、もう一日、横ばいが続き、1383-1400ドルの狭いレンジ内で取り引きされた。レジスタンス水準は引き続き1400ドル領域にある。これを突破すれば、おそらく金は1430ドル水準、次いで1445ドル水準を試すだろう。現在のサポートは1383ドル水準にある。次のサポートは引き続き1350ドル~1340ドル領域にあり、その次のサポートは1320ドルだろう。
Oil
• WTIはほぼ金曜日と同じ水準で推移し、大きな変化はなかった。次のセッションでは、93.50ドルのサポート水準が強力に維持され、オーバーナイトでは原油価格の若干の上昇が見られた。原油の重要な水準は引き続き変わらず、サポートは93.50ドルに現れ、その次のサポートは92.20ドルに現れるだろう。レジスタンスは94.50ドル水準にあり、その次のレジスタンスは95.00ドルに現れるだろう。
通貨レートベンチマーク - 今日の勝者と敗者
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