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Daily Commentary - 06月20日2013年

発行済 2013-06-20 18:52
更新済 2019-12-18 20:45
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概観

金融緩和の減速:

バーナンキ議長は昨日、FRBは、労働環境やインフレ見通しの変動に伴い、債券購入のペースを拡大したり、減速したりする用意があると再び発言した。しかし、バーナンキ議長は、秋以来、労働市場リスクが後退していることに言及し、FRBは、今年後半に債券購入のペースを「落とす」可能性があるとの見解を示し、2014年半ばに、金融刺激策に伴う市場への資金供給を終わらせる可能性があるとした。それでもなおバーナンキ議長は、記者会見において、金融緩和策は、経済データと結びついており、さらに軟調なデータが出れば、金融緩和からの後退を遅らせることになると繰り返した。市場、特に、FOMCを当惑させてきた利回上昇の見られる債券市場をなだめようとする中、バーナンキ議長は、金融緩和からの後退は、アクセルペダルから足を放すようなもので、ブレーキを踏むことではないと強調した。FOMCのメンバー19名のうち15名が2015年より前に利上げが行われることはないとみているため、彼は、ブレーキ、すなわち、利上げは、「遠い将来」行われるということを述べたのである。一方、FRBは、たとえ債券購入を減らしたり、終わらせたりしても、バランスシート上の資産ストックが引き続き緩和的影響を与えるよう望むだろう。これは、需要と供給という観点では経済理論に一致するものであるが、米国債が大幅に下落したため、実際の債券市場は金融緩和からの後退に対して教科書どおりの反応を示しておらず、10年物債券の利回りは昨日の低水準から本日の高水準へと9.6%上昇した。

FOMCの声明に対する市場の当初の反応は、USDの大幅な上昇となって現れた。これは、景気見通しの改善と、2013年と2014年の失業率予想が、利上げの可能性を示唆する6.5%の閾値を含む6.5%から6.8%のレンジに低下したことで、金融緩和から後退するとの期待が拡大し、これが新興市場通貨に打撃を与えたためである。FRBがハト派的な金融政策を導入すれば、投資家は、高利回り資産、特に新興市場通貨において利回りを追求するようになるが、刺激策を減速し、利上げ期待が浮上すると、新興市場通貨におけるロングポジションの魅力は減退することになる。その結果、とりわけメキシコペソ、ブラジリアンレアル、南アフリカランドは対USDで下落し、USD指数は昨日の朝以来0.92%上昇している。コアPCE予想が下方修正されたため、低インフレ率への懸念は、昨日の会見における緩和材料となったが、金融緩和からの後退に対する憶測を抑制するという意味においてはそれほど機能しなかった。しかし、インフレ圧力が低いとの予想は、インフレ連動債(TIPS)と貴金属の魅力を大幅に損ない、金と銀は昨日の朝以来それぞれ1.43%、1.61%下げた。米国株には引き続き回復力があり、変動は見られたものの、閉めに掛けて売りが先行し、S&P 500は1.4%下落した。

市場は、2日間の重要なFOMC会議の終了を受け、消化するのがやっとのようであるが、本日は、6月のPMI速報値の発表が控えている。中国は、HSBCが48.3と、予想よりも大幅に悪い景気収縮を示して始まった。アナリストは、49.1前後から49.4と、5月の49.2と同様の水準を予想していたのである。軟調なデータが中国の成長予想の引き下げを裏付け、中央銀行が、金融システムに一層の資金供給を行うことを控えたため、7日レポレートは、7年ぶりの高水準に達した。ユーロ圏の6月のPMIでは、製造業、サービス業のいずれにおいても改善が見られると予想される。フランスの製造業PMIは、5月の46.4から47.0へと、14か月ぶりの高水準を示すだろう。サービス業PMIは、44.3から44.8へと、6ヵ月ぶりの高水準へと上昇することが予想される。ドイツの製造業PMIは、引き続き回復するとみられ、49.4から49.8-49.9への上昇が予想され、サービス業では50.0が予想され、2ヵ月連続での収縮に歯止めが掛かるだろう。ユーロ圏のPMI総合指数も、47.7から48.1へと改善することが予想される。バーナンキ議長が、金融刺激策からの後退を開始するには、明るい米国のデータが必要であると強調した翌日、米国の製造業PMIでも、52.3から52.7 – 52.8への改善が予想され、フィラデルフィア連銀製造業指数も、-5.2から-0.2への改善が予想される。

しかし、米国のデータは、これで終わらず、失業保険申請件数が、33万4千件から34万件へとわずかに増加するものの、34万9千件の5週平均を下回るだろう。5月のコンフェレンス・ボード景気先行指標は0.2%上昇するとみられるが、4月の0.6%の上昇から比べればそのペースは鈍化するだろう。5月の中古住宅販売のペースは引き続き+0.6%を示すとみられ、住宅販売件数は497万件から500万件への増加が予想される。

英国は、本日、5月の小売売上高を発表する予定で、幅広い改善が予想される。前月比での売上高は、4月の1.3%の収縮から一転し、0.8%の拡大を示す可能性が高く、燃料を除く前月比、前年比も、かなりの改善を示すだろう。しかし、前月に0.5%の拡大を示していた前年比総合指数は、0.2%と、拡大ペースの鈍化を示すだろう。その直後には、英産業連盟が鉱工業トレンドに関する調査を発表する予定で、6月の数値は5月の
-20に比べ-15へと改善を示すだろう。

最後に、ユーロ圏では、ユーログループとECOFINの会合が開かれるため、向こう2日間は市場の注目を集めるだろう。本日、ユーロ圏の財務相が、銀行に直接的な再資本化を許可する、ユーロ圏の最後の頼みの綱となる5000億ユーロの欧州安定メカニズムに合意するとみられ、2014年秋から始まることになるだろう。本日のサミットで議論される重要な問題は、銀行が遡及的にこのメカニズムを通じた再資本化が可能かどうかという点であり、そうなれば、苦戦する周辺諸国の債務がある程度消却されることになる。この会議以外では、ユーロ圏は、6月の消費者信頼感指数を発表する予定で、5月の-21.9から改善するものの、-21.5と11ヵ月ぶりの低水準まで下落するという悲観的な結果が予想されている。

マーケット

EUR/USD

EUR/USDは、1.3300の注目されるサポートを下方突破し、ストキャスティックとRSI上には弱気な買われ過ぎのクロスオーバーが見られることから、次の注目すべきフィボナッチ・サポートは、1.3230に見られ、その後の弱いサポート水準は1.3200と1.3160に見られる。重要な、試されたサポートは、1.3115に現れ、1.3075には50日移動平均と200日移動平均が集中する。最初のレジスタンスは1.3300に、次のレジスタンスは試されたフィボナッチ水準である1.3320と1.3340に現れるだろう。

USD/JPY

USD/JPYは、FOMCの発表後の主な上昇ペアとなり、レジスタンスが十分に試された97.05に現れた。これを突破すると、次のレジスタンスは、かなり高い、97.90-98.15の領域に現れ、弱いトレンドライン・レジスタンスが98.70に現れるだろう。サポートは96.40に現れ、より強力なサポートは95.90に現れる。

GBP/USD

GBP/USDは、昨日、複数の水準を下方突破し、本日も大幅に下げた。1.5500前後にあるフィボナッチ水準を突破しかつ試しているため、次の注目すべき水準は1.5420に現れ、50日移動平均サポートは1.5370に、弱いサポートは1.5345に、試されたフィボナッチ・サポートは1.5315に見られる。1.5500を上回るレジスタンスは、1.5550に現れる。



• 金は、ペナント・フォーメーションを下方突破し、その後、トレンドライン・レジスタンスを試した。弱いサポートが、1340ドルに現れ、1322ドルが4月の暴落後の安値となりつつある。その後の注目すべきサポートは1285ドル~1300ドル領域に現れる。レジスタンス水準は1353ドルと1363ドルにある。

原油

• WTIは、原油在庫の予想外の増加とFRBの政策発表を受け、97.75ドルのサポートを下方突破した。96.95ドルのサポート・トレンドラインの突破により、次の水準は96.15ドルに、その後は95.65ドルに見られる。レジスタンスは、かつてのサポート水準である96.95ドルに現れる可能性があり、その後は、97.75ドルに現れるだろう。

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マーケット概要

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