先週半ばから貴金属相場は勢いづいてきました。
結論から言うと、このトレンドは継続すると見ています。
まずNY金の日足チャートをご覧ください。
NY金は、上値が重かった1220ドルを突破してきました。
雇用統計は予想を下回り、直近の経済指標も良くないために、利上げの思惑が後退し、ドル安になったことが要因です。
CFTC建玉明細からはどうでしょうか。
5/12現在のCFTC建玉明細を見てみましょう。
こちらは、とくに大きな変化はありません。
ただし、これはNY金が急伸する前の数字です。
これは推測の段階ですが、その後の急伸で売りが買い戻しされ、また新規の買いが入っていると思われます。
取組高をご覧ください。
取組高は増加していきていますが、昨年11月、今年1月、3月の取組高のピークまでは及ばず、新規の買いはこれから積み上がる余力がまだあります。
今後さらに悪い経済指標が発表されると、新規買いが入り、上昇のトレンドは継続するでしょう。
現在は、米国の利上げ思惑の後退で、株が高く、金が高く、ドル安の動きになっていますが、この動きは継続するでしょう。
特に、NY金はトレンドが出ると3~4週間は続く可能性があります。
最後に、ドル安についてですが、
以前、このコラム(4/20付)にて、ユーロドルの動きに変化が出始めているとお話しました。
その後の状況を確認しておきましょう。
まずは、ユーロドル日足、一目均衡表チャートです。
昨年から下落し続けてきたユーロドルは、日足では一目均衡表の雲に入ることはありませんでしたが、現在は、雲に入り上に突破したことで、環境が大きく変わりました。
こちらはユーロドル週足です。
昨年から転換線を越えずに一貫して下げてきたユーロドルは、ついに転換線を突破してきています。
金市場では、ドルの動向は重要で、ユーロドル相場は注目すべき指標です。
今週は、FOMC議事録の公表がありますが、こちらはあまり影響しないと思われます。
それよりも今後発表される米国の経済指標とNY金取組高に注目しておきましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。