2日火曜の午後1時半に、オーストラリアの中央銀行であるRBAが金融政策を発表する。今回は2.5%のまま据え置きを予想する声が大半だが、市場では数ヶ月前からRBAによる利下げの噂がくすぶっている。
RBAによる利下げを予想する声の根拠は、スティーブンス総裁が以前から「豪ドルが高すぎる」という趣旨の発言を繰り返してきたからだ。確かに長期で見ても豪ドルは高い水準にあり、豪ドル/米ドルの0.93という現在のレートは、1987年頃から見てもここ数年しか到達していない。その一方で2011年頃につけた最高値である1.1からは、かなり下落している。
そして豪ドル高是正のために、RBAが為替介入をする可能性は低い。スティーブンス総裁は今月20日の議会証言で、「為替介入を採用する気にはならない」と発言していた。介入がないなら、利下げで豪ドル高を是正してくることが考えられる。
一方で利下げが当面ないと考えられる理由の1つに、オーストラリアのインフレ率がある。RBAはインフレ目標を2~3%に置いている。オーストラリアは四半期ごとにインフレ率を算出しているが、2012年第3四半期以来目標通りの2~3%内に収まっておりECBのようにデフレ対策で利下げをする必要性に迫られていない。また最新の2014年第2四半期のインフレ率は、目標の上限である3.0%だった。
これらの要因から、市場関係者は利下げがあるとしても年内を予想しており、2日の政策決定会合で行われる可能性は低いと見ている。現実的に考えると、2日の会合で利下げが行われる確率は5~10%程度だろう。