ドル/円相場は、77円台中盤から後半で揉み合う展開に。9月19日の79.22円をピークに、28日には一時77.44円までドル安・円高が進行した。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)直後となる13日に付けた77.13円を試すまでの勢いはなく、足元では78円水準まで切り返している。
FOMC、日本銀行金融政策決定会合を終えて材料出尽くし感もあるが、ここにきて日米の金利格差に改めて縮小圧力が強くなっていることが、ドル売り・円買いを促している。欧州債務問題や中国経済の減速懸念が蒸し返されている影響もあるが、米国債に対する引き合いが強まる中、米金利に対する低下圧力が強くなっている。このため、金利環境からは77.50~78.00円水準までのドル安・円高には特に過熱感もなく、適正レベルと評価している。ただ、日米の金融政策環境の違いを考慮すれば、ドル安・円高トレンドそのものに修正を迫るのは依然として難しい。米金利低下余地が限定されていることを考慮すれば、ドルが急落するような環境にはない。ただ、トレンドそのものに修正を迫るハードルは依然として高いのが現状である。引き続き、一目均衡表の雲がある78.86~79.26円水準をドルの戻り目処に、ドル売り・円買いスタンスを維持したい。
9月の日銀短観であるが、大企業製造業DIは、前月の-3から横ばいの-3となっている。これで5四半期連続のマイナスになる。マーケットの予想よりも若干良い数値になっているが、先行き不透明感を払拭できる程の内容ではなく、ドル/円相場に対する影響は限定されている。特に追加金融緩和の必要性を迫る内容ではない一方、政策対応が必要な基本環境には変化が見られない。
今後1週間の予想レンジは、77.25~78.75円。