2016/08/23(火)
【相場展望と投資戦略】
縮小し始めた金と白金のサヤ(価格差)に注目!
本日は、セントラル商事商品アナリストの萩原航とともにお届け致します。
動画はこちら
■目先の貴金属相場展望(後藤道義)
金相場展望
NY金相場は1330-1360ドルの横ばいの動きになっています。
FRB関係者の発言などから早期利上げについての思惑が台頭、また投機筋の買いが膨らんでいることもあり、軟調になりやすい状況です。
ただし、1330ドルを割れないのは、雇用統計は良好なものの、経済指標が悪いことや、インフレ目標を達成できていないことから、今年の利上げは難しいのではとする思惑も入り混じっているためと思われます。
目先は、週末のFRB議長の講演に注目が集まります。
最近のFRB関係者の発言は、利上げへの地ならしの可能性もあり、イエレン議長の利上げに関する発言には注意が必要です。
白金相場展望
白金は、ランドの動きに注意が必要です。
ランドは、ランド高から横ばい、直近ではランド安になってきており、金につれ安になるとともに白金の下げの原因になっています。
米国の利上げ思惑からドル高→相対的にランド安→白金安の流れです。
NY白金の投機筋の買い越しは多く、目先は下げに拍車がかかる可能性があります。
今週は、上値の重い展開になるでしょう。
■貴金属の中長期展望/金と白金の価格差に注目(萩原航)
目先は、円高や投機筋の買いが膨らんでいることもあり、単独の銘柄では仕掛けづらい状況です。
そこで今回は、金と白金のサヤ(価格差)に注目した投資戦略を解説します。
まずは、生産コストと相場の関係を示した図をご覧ください。
ここ1年の生産コストとの関係からみると、金は生産コストを大きく上回って推移しており、鉱山会社は儲かっています。
一方で白金は、大半が生産コストより下で推移しており、直近でようやく生産コストより上に上がってきています。
生産コストとの関係からみると、金より白金の方が相対的に強く、
相場が下落する局面では金の方が白金より下落しやすく、
相場が上昇する局面では白金の方が気より上昇しやすい状況になるでしょう。
次に、白金価格から金価格を引いたサヤ(価格差)をご覧ください。
歴史的には金より白金の方が価格が高い傾向にありますが、ここ数年は白金より金の方が高くなっています。
ただし、一時は1000円以上も金の方が高くなっていましたが、この状況に変化が起きています。
今年の動きをみると、2月と6月に-1100円以上になったところがダブルボトムとなり、白金と金のサヤが縮小するトレンドが発生しています。
直近では、急激に500円ほど縮小した反動で、200~300円ほど修正していますが、ここは好機ととらえ、サヤが縮小する方向への投資戦略、つまり金売り・白金買いが良いでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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