週末の雇用統計が予想以上に良い数字で利上げ思惑が高まり、ゴールド市場は1360ドルから1330ドルまで大きく下落しました。
ただし、フェドウォッチ(Fed Watch)によると、9月、11月のFOMCで利上げを行う確率は、雇用統計前の数字よりも下がっており
、金融市場全体では利上げの思惑はあまり高まっていない可能性があります。
それでは、ゴールド相場はなぜ大きく下落したのでしょうか。
こちらは投機筋の売買ポジションを表したグラフです。
最新は、8/2(火)現在のデータですが、投機筋の買い(オレンジの棒グラフ)がさらに増加していることがわかります。
つまり、投機筋の買いが膨らんでいたために、雇用時計の結果が予想以上に良かったことを受けて、整理売りが出たということでしょう。
今後のゴールド相場ですが、
どこの段階で利上げを織り込むかにかかってきますが、織り込みが済めば出直りは早いと私はみています。
チャート上からは、一目均衡表の基準線・転換線でサポートされているため、この価格帯を維持できれば出直りとなるでしょう。
ただし、投機筋の買い整理がさらに進んで、相場は一段の下落する可能性があります。
私は下値はあまり深くないのではとみていますが、雇用統計の結果を受けて利上げ思惑をどう織り込むか、ここ数日の動きには注意が必要です。
プラチナ相場展望
プラチナですが、ゴールドにつれ安となり短期的にはゴールドと同様に上昇トレンドが終わりました。
ただし、週明けの午前中の動きをみると、ゴールドが50円安になる中、プラチナは20円安程度にとどまっていることに着目してください。
この違いは南アの通貨ランドの動きから生まれています。
雇用統計を受けての利上げ思惑で、一時はドルが買われランド安に動いていましたが、チャート上で一目均衡表の雲が上値抵抗で抑えられ、再びランド高になりランド高トレンドが続いています。
このランド高が中長期的にプラチナ相場の底上げ要因になるため、ゴールドよりもプラチナの方が強い相場になっています。
1000円ほど拡大していたゴールドとプラチナの価格差は、700円まで縮小してきています。
現物取引では出来ませんが、先物市場ではこの価格差の縮小を狙った、ゴールド売り・プラチナ買いといった投資戦略を立てることが可能です。
この取引ができるのも先物取引のおもしろさです。
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当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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