先週は、ドル建ての金や為替が上下する中で、東京金はあまり動きませんでした。
2つの円安と金相場の関係
今後の金相場の動向ですが、
今週の重要イベントで為替が動く可能性があるため、
改めて2つの円安と金相場の影響を確認しておきましょう。
ドル高による円安
1つは、ドルに信用が集まった結果、相対的に円が安くなり、円安になる場合です。
この時は、ドル高によりドル建ての金は下落しやすく、円安で相殺されつつも、東京金は軟調傾向にあります。
円安による円安
2つ目は、円の信用が落ちて、円安になる(相対的にドル高)場合です。
ドル建ての金は下落しにくく、東京金は堅調になる傾向にあります。
今週のポイント
・FOMC 7/26-27
・日銀の金融政策決定会合 7/28-29
・政府の経済対策、補正予算 7月末内
FOMCでは、7月の利上げは見送りと見られるが、FOMCの声明で9月の利上げに含みを持たせるかどうかに注目が集まります。
9月利上げを残すなら、ドルへの信用が高まりドル高に、ドル建ての金相場には弱材料です。
利上げに含みを持たせるなら、ドルの信用が高まってドル建ての金は下落、ただし為替は円安になり東京金の下値は抑えられるでしょう。
CFTCの投機筋のポジションでは買い玉が1000トン以上で推移しており、買いの手仕舞いが起こる可能性があります。
投資戦略としては、高値から下がったところを買っていく戦略がいいと思います。
ただし、安くなっても更に買えるだけの余裕を持った資金管理が必要です。
日銀と政府の経済金融対策に注目!
今週の重要なイベントである、日銀の金融政策決定会合と、政府の経済対策・補正予算の動向には必ず注目しておきましょう。
なぜなら、ドル円は瀬戸際にあり、政府・日銀の経済金融対策次第で、円安になるか、円高傾向が続くのかが決まると見ているからです。
ドル円は、一目均衡表の雲を下抜けてこれまで半年ほど円高トレンドが続いていましたが、ここにきて雲まで反発してきました。
このまま雲を突き抜けて、109円、110円と円安トレンドになるのか、
雲を上抜け出来ずに、円高が続き、再度100円の割り込むかの瀬戸際になっています。
それゆえに、政府・日銀の経済金融対策の本気度を示すことができるのかが重要な局面になっています。
補正予算の規模はどうか、建設国債の発行はどれくらいか、市場はどうとらえるか、注目です。
個人的には、週末のG20で、リスクに立ち向かう暗黙の了解を得たと見ており、市場が納得するだけの経済金融対策になると思っています。
これまでG7、G20のイベントを境に為替のマーケットが動く傾向にあり、円安初の円安で東京金は、上昇しやすい地合になると見ています。
さて、白金ですが、高値もみあいの動きになっています。
ただし、ランド高傾向にあり、中長期で白金は上昇傾向でしょう。
また、金と白金のサヤは縮小するでしょう。
投機筋のポジションは、買いが増加傾向にあります。
最後に、すでに始まっている労使交渉ですが、期限の9月までひっ迫感は出ないと思われます。
最後の最後で決着がつくと思われ、相場への影響は9月になって出てくると見ています。
ドル円は正念場にきています。
政府・日銀の経済金融対策に失望感なら、ドル円は100円割れの可能性があるため、注意が必要です。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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