ドル建て反発も、むなしくも円高の動きで相殺
目次
●金:ドル建ては想定通り反発も、円高で相殺
●白金:テクニカル上は出直りのチャンス
●ファンドの動向:買い玉の整理で環境は良好のまま
金:ドル建ては想定通り反発も、円高で相殺
ドル建ての金は想定通り反発し50ドルの上昇となりましたが、東京金は円高の影響で相殺される状況です。
先々週、為替のパワーバランスが、ユーロ>ドル>円になっており、東京の貴金属市場には好環境にあると話していました。
ドル建てではドル安の影響で上昇し、東京は対ドルに対しての円安で上昇圧力を受けるためです。
しかし、そのバランスは崩れ、現在はユーロ>円>ドルの関係になっています。
この状況では、ドル安でドル建ての金が上昇しても、ドル安・円高で東京市場はドル建て金の上昇を相殺してしまいます。
この為替のバランスは今後も引き続き注意が必要で、今週のトランプリスクの状況、FOMCに注目しておきましょう。
白金:テクニカル上は出直りのチャンス
白金は、再々度出直りのチャンスを迎えています。
逆行現象は完成し、MACDは買い転換になるなど、環境は良好です。
週足でみても、東京は買い転換、ドル建ても買い転換になるかの節目になっており、上に行く材料やきっかけがあれば、出直りが期待できる相場です。
ボリンジャーバンドのバンドが、これまでの小動きの影響で狭まってきており、相場が動き出すタイミングの良いチャンスを迎えていると期待しています。
ランド相場では、先週中央銀行が利下げを発表するサプライズがありましたが、結局元に戻っており、白金相場に影響はあまりありませんでした。
白金相場は、テクニカル上、出直りのチャンスにあると、私は見ています。
ファンドの動向:買い玉の整理で環境は良好のまま
度々お伝えしておりますファンドの動向ですが、引き続き買いの整理が進み、環境は良好です。
NY金は、相場は上昇しても買い越しは増えず、ファンドの動向から見た環境は良好なままです。
NY銀は、買い越しがさらに減少しました。ただし、ここまで買い越しの整理が進むと、直近の安値は底値圏にあるとみてよいと思います。
NY白金は、若干買い越しが増えていますが、まだまだ低水準で、買いが増える余地は十分にあります。
注目すべきは、ドル円のファンドの動向です。
相場は114円から111円割れまで円高が進む状況にありますが、ファンドのドル買いが増加している状況です。
この溜まったドル買いのポジションが、損切で決済された場合、一気に円高が進む可能性を秘めています。
そうなると、商品相場も株も上値を抑える要因になるため、注意しておきましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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