先週のFOMCは、若干タカ寄りの結果という意見もありますが、結局はどちらともなく貴金属相場は動きませんでした。
一方で、日銀は追加の金融政策についてゼロ回答という逆サプライズの結果になり、ドル円は大きく円高になり、一気に106円まで進んでいます。
このドル円ですが、一目均衡表でみるとこれまでの動きに特徴があるのが分かります。
基準線(赤)、転換線(青)との関係をご覧ください。
相場が基準線、転換線を上に突破した後は上値重くなり、下に抜けてくると一気に円高に進むという動きを繰り返しています。
今回も円高の仕掛けの動きになっています。
円高の目途ですが、市場では105円付近という意見もありますが、私はこの円安が始まった起点である102円まで全値戻しまでの円高があると見ておいた方が良いと思っています。
RSI(相対力指数)では30ポイントを割り込んでおらず、やはりまだ円高があると見ておいたほうが良いでしょう。
次に、NY金ですが、ドル安が円だけでなく、対ユーロなどでもドル安に進んだことで、ドル建ての金相場が上昇しています。
NY金は40ドル以上も急上昇して3月の直近高値を上抜き、1299ドルの高値を付けました。
一方の東京金は、ドル円相場の円高とドル建て金相場の上昇に振りまわされながらも、4350~4450円前後のレンジ内の動きになっています。
目先は東京金のトレンド発生は難しい状況で、レンジ相場がもう少し続くでしょう。
ただし、中期的には上値警戒継続です。
こちらはNY金市場の投機筋(ファンド)の動きをみるグラフ(4/26現在)です。
先週はやや買い玉が減少していますが、この週末のNY金市場の上昇では取組が増加していることから、新規の買い玉が増加していると思われます。
商品に資金が流入していますが、NY金市場は買いの積み上がりが顕著です。
引き続き高値警戒が必要でしょう。
結論
東京金はレンジの動きの中で短期はもみあい、中長では上値警戒です。
売買戦略は、上値が出たところで売りで入り、100円~150円下がれば利食いするといった売買戦略が良いでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。