2015/4/20
金市場の先週までの動きをみてみましょう。
(ゴールドスポット価格60分足)
4月始めの雇用統計の結果を受けて一段高となりましたが、その後は続かずに下げる展開となり、4/14には1185ドルを割り込みました。
ただし、先週は半ばからは、ギリシャの問題やドル安で1200ドルを回復しています。
投機筋のポジションの推移はこちらをご覧ください。
(CFTC建玉明細 NY金)
最新のデータ(4/14付のデータ)は、ほとんど変化はありませんでした。CFTCの建玉明細からは投機筋のポジションの偏りは見られない状態で、相場は上下どちらにも動く可能性があります。
今週は、大きなイベントはなく、来週のFOMCや米国GDPの発表を待つ展開が予想されます。
さて、私は最近ドルの動きに注目してます。
チャートはユーロドルの週足です。
これをみるとユーロドルは、昨年5/8の1.399から下げ続けてきました。ユーロ安、ドル高が続いてきたわけです。
この週足では、相場は終値で青い転換線を越えることはなく、一貫して下げてきました。
しかし、ここにきて相場は2番底の様相を見せ初めています。
近く、週の終値で転換線を越える可能性があります。
つまりドル高→ドル安への転換があるかもしれません。
ユーロドル日足でもみてみましょう。
日足では、相場は一目均衡表の雲に入ることは一度もありませんでしたが、ここにきて雲に入る可能性がでてきました。
週足、日足ともに転換の兆しがみえてきています。
ドルと金との相関性は高く、ドル安になると金は上昇の動きとなると思われます。
ここにきて、なぜドル高からドル安への転換の動きが出てくるのでしょうか。
私は、芳しくない米国経済指標の結果や、雇用統計結果の鈍化などが見られている最近の米国景気に原因があると思います。
現在は、世界中で金融緩和が進められる中、米国は金融引締めへの動きになっています。この金融政策の違いが、ドル高をもたらしていたわけですが、いよいよドル高の弊害、米国経済への影響が出てきているのではないでしょうか。
1年間続いたドル高により、経済や雇用への悪い影響が出始め、選挙を控えた民主党がドル高からドル安へと政策を変えてくるのではないかと考えています。
仮にドル安へ転換となれば、金相場は上昇が期待できます。
ユーロドルの動きには注目しておきましょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。