今週は、先週の重要イベントのおさらいからはじめましょう。
NY金展望
10月はじめの雇用統計が悪かったために、マーケットは年内利上げ見送りとの思惑が台頭し、NY金は上昇しました。投機筋は売りを減らして、買いを増やし、強気な市場となっていました。
しかしながら、投機筋の買いが大きく膨らんでいたため、目先は買いの整理売りが出やすく下落に注意が必要でした。
そんな中で、先週10月27-28日に開催されたFOMCは重要なイベントでした。
結果は、利上げは見送られましたが、声明ではタカ派と見られる内容となり、12月の年内利上げの思惑が再び台頭し、NY金は続落となっています。
もう一つは、日銀の政策金利決定会合です。
こちらは、日銀が追加量的緩和を行うのではないかと注目されていましたが、現状維持の結果でした。
国会が、3兆円ともいわれる補正予算を組むという新聞報道もあり、もし国会が開かれて補正予算可決となれば、日銀も動いてくるでしょう。11月、12月の日銀の政策金利決定会合も引き続き注目です。
NY金相場の動向ですが、まず最新のNY金の投機筋の建玉(10/27付)をみておきましょう。
買われ過ぎで900トンに迫っていた買いは、減少して800トン台前半になっています。
また、10/29の取組高は大きく減っており、さらに買いが減っているでしょう。
NY金は今週まだ下げ余地があり続落となる可能性があります。
ただし、目先の底をつけに行く展開で、そこは買い場となるでしょう。
下値の目安は、一目均衡表の雲下限の1120ドル付近と見ています。
膨らんでいた買いの調整が不十分であれば、さらに下落する可能性がありますが、トレンドを見てもやはり1120ドルではサポートになるでしょう。
NY白金展望
NY白金の投機筋の建玉は、金とは違い新規の買いが入っています。しかし、買いの水準が多く、今週は整理売りが進む可能性があります。
下値の目安は、一目均衡表の雲下限、基準線あたりの950~970ドルと見ています。
ドル円展望
最後に、東京貴金属価格の展望に重要なドル円の動向ですが、日足では、一時的に121円を超えましたが、未だにレンジの範囲内での推移にとどまっています。
一方の週足では、雲が切り上がっており、その雲に沿う形でドル円は円安になっていくでしょう。
数週間後には、121円を超えて、122円へと向かうと思われます。
まとめ
NY金は、整理売り一巡なら底をつけるとみています。さらにドル円の円安方向への動きがサポートになるでしょう。
目先の注目は、11月6日の米国雇用統計です。
結果が強い内容だと年内利上げをが確かなものとしてマーケットは動き、NY金がもう一段下げると思われます。
逆に、弱い内容で年内見送りムードなら、NY金は上昇するでしょう。
戦略としては、上下どちらもあるとみて対応する必要があります。
現在の値位置では買いでいいと思いますが、レバレッジを抑えておくことです。
年内利上げムードが高まり、一段下げたところで買えるだけの資金配分をしておくことが重要な決め手になるでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。