先週末の米国雇用統計は、経済にとってポジティブサプライズとなりました。
予想を上回る結果で、これで4ヶ月連続で良い結果となり、
6月のFOMCで利上げがあるとする思惑が台頭しました。
この結果と思惑を受けて、NY金は30ドルほど大きく下落しています。
雇用統計を受けたNY金の動きは想定内でしたが、為替は誤算でした。
ドル円は三角保合を上抜けて、直近高値の121.8円台に接近すると見ていましたが、
そこまで円安の勢いはありませんでした。
NY金が大きく下がっても、為替の円安で相殺されて、
月曜日の東京金は50円安程度になると想定していましたが、
東京金は、想定以上に軟調な展開です。
これはドル高を嫌気したNYダウ相場が下落したことにより、
為替市場はリスク回避の円高傾向にあることが原因です。
当然、東京金は大きく下落しています。
ただし、米国の金利が上がったことで、日米の金利差が拡大し、
現在の東京金は、金利差を見た円安でやや戻してきています。
NY金の投機筋の動向ですが、CFTC建玉明細をご覧ください。
(CFTC建玉明細 NY金 3/3現在)
3/3現在の数字は、投機筋の買い(オレンジの棒グラフ)は700トン台を維持、
売りは増加してきてます。
3/6の下落により、買い玉はさらに減って600トン台に入っていると思われます。
買いの整理売りはおそらく一巡したと見ています。
一方で、売り玉は、さらに新規の増加が見られると思います。
この増加した投機筋の買いは、将来の上昇要因です。
今後ですが、1200ドル割り大きく下げたことで、アジアの実需買いが
どこまで入るのか注目です。
現在は、投機筋の売り 対 アジアの買いという構図が予想されますが、
投機筋の売りは将来の上昇要因です。
また、ドル円が三角保合を上抜けて直近高値を伺う勢いであることで、
中長期的には、円安が東京金価格を押し上げるとの見方は変わっていません。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。