パラジウム急騰!今週は注目のFOMCでどうなる!?
目次
●パラジウム:急騰の要因は需給
●白金:パラジウム急騰の影響
●北海ブレント:下ヒゲを試す展開
●FOMC後の動き:金と株はどう動く?
パラジウム:急騰の要因は需給
2016年1月に底打ちして上昇トレンドになっているパラジウム相場は、先週急騰しています。
このパラジウムは貴金属相場の中で最も需給が強い銘柄です。
こちらは当社のお客様専用情報ページの相場表ですが、
気配値を見ていただければ、期限が先になるほど価格が安い状態になっているのが分かると思います。
いわゆる”逆ザヤ”現象で、パラジウム市場では、いま現物がなく需給がタイトになっている状況です。
こちらは、パラジウム相場のリースレートです。
3-5%だったリースレートは、先週一気に12%台まで急伸しています。
市場ではパラジウム現物がなく、パラジウムを調達するためのコストが上昇しているのです。
流動性が低い市場なだけに、売り方は注意が必要です。
パラジウム相場は、現物が出てきて需給が緩和されるまで上昇が止まらない可能性があります。
白金:パラジウム急騰の影響
これまでパラジウムの上昇は、白金にとって良い材料とお話しておりましたが、
いかんせん白金の体たらくぶりが目立ちます。
白金とパラジウム価格の差は、リーマンショック前には5000円以上の開きがあったものが、いまでは500円近くまで縮小。
価格差が逆転しそうな勢いです。
パラジウム買いに対し、白金を売ってヘッジをしているのかもしれません。
仮に、パラジウムの方が白金より高くなった場合は、白金に注目です。
自動車の排ガスの触媒に利用される用途では、白金の方がパラジウムより性能が良く、白金は宝飾需要もあるため、価格の逆転は長くは続かないでしょう。
ユーロドル相場の展開は、東京白金市場にとっても注目材料ですが、先週はあまり動きがありませんでした。
今週のFOMCにおいて利上げが予想されており、その後のイエレンFRB議長の発言も含めてどう動くか注目です。
北海ブレント:下ヒゲを試す展開
原油相場ですが、北海ブレントは、5月上旬の安値下ヒゲを試す展開です。
ここが買い場となるか注目です。
FOMC後の動き:金と株はどう動く?
6月14日夜にFOMCが開催されます。
今回は今年2回目の利上げが予想されています。
下は、過去3回の利上げ局面と金相場、日経平均の推移を示しています。
NY金は、利上げが転機となり、相場は反発上昇、
一方で日経平均は、下落調整となっています。
今回の6月の利上げ後も同様の動きとなるのか注目です。
これまでは、利上げ期待で米金利上昇が期待され、NY金が下落、ドル高・円安をうけて日経平均が上昇、利上げ決定後は、材料出尽くしで逆の動きになるのがセオリーでした。
ただし、注意すべきは、
今回は、6月利上げが予想されているにも関わらず、金利が下げていることです。
ここがこれまでのセオリーと違います。
イエレンFRB議長の発言で今後利上げペースがどうなるのか、利上げ発表と同時にその発言にも注目です。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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